文書管理システムの選び方
文書管理システムとは?
文書管理システムとは、電子化した文書を保管、活用、廃棄できるように一元管理するシステムのことです。社内にある大量の文書を整理でき、業務効率化につながります。また、紙で扱っていた文書を電子化して管理できるので、ペーパーレス化やセキュリティ対策の強化にも貢献できます。多くの文書管理システムに共通する機能としては次のようなものがあります。
機能①保管機能
文書の種類や関係部署などで分別し、保管する機能です。オフィスで保管していた紙文書や個人のPCに散在していた資料、ファイルサーバの中でバラバラに管理されていた文書などを整理して管理できます。大量の文書であっても、分かりやすく保管できるようにフォルダなどの分類機能が備えられています。
機能②検索機能
保管した文書の中から、すぐに必要な文書を探し出すための検索機能です。登録時に文書ごとに付与した属性情報で絞り込んだり、文書ファイル内のキーワードから検索したりして、目的の文書を探し出します。文書ファイルの中身全てを検索対象とする「全文検索機能」を備えている製品もあります。
機能③セキュリティ対策
文書の中には、機密性の高い内容を含むものもあります。そのような重要文書に対し、アクセス制限をかけたり、ダウンロードを制限する機能があります。また、誰がいつどんな操作をしたのかのログを取る機能がついている製品もあります。情報漏えいや紛失を防ぎ、安全に文書を管理できます。
機能④バージョン管理機能
契約書のように定期的な更新が必要なものや、マニュアルのように業務の中で随時更新される文書も存在します。このような文書を正確に管理するためには、最新版と旧版のバージョン管理ができる機能が役立ちます。バージョン管理機能によって、最新版にすぐにたどり着けたり、旧版と最新版の比較も効率的に行えます。
機能⑤ワークフロー機能
文書を登録する際には、上長や責任者の承認が必要な場合もあります。このような文書の登録において、システム上で申請・承認を済ませられるワークフロー機能を備えている製品も多いです。テレワークが進む中、システム上でワークフローを回せれば、出社とハンコ要らずの文書登録を実現できます。
文書管理システムを導入する効果
文書管理システムを導入することで、「業務効率化」と「コンプライアンス強化」を目指せます。それぞれについて詳しく紹介します。
効果①業務効率化
最も大きなメリットは、業務効率の向上です。散在していた文書を一か所にまとめて管理できるので、社内の情報共有がスムーズになります。検索機能を活用することで、紙で文書を管理していた時と比較して、文書探しにかかる時間を大幅に削減できます。
また、電子化して管理することで、時間や場所にとらわれない情報へのアクセスが可能となります。出社要らずに社内の情報を活用できるので、テレワークが普及した企業にもおすすめです。
効果②コンプライアンス強化
アクセス制限や閲覧履歴によって、コンプライアンスの強化につながります。重要な機密文書と、ナレッジ共有のための文書が混在していても、同じシステム内で一元管理できます。ファイルサーバであれば文書ごとにアクセス制限をかけたり、紙文書であれば物理的なセキュリティ対策が必要だったのと比較して、少ない手間でセキュリティ管理が可能です。また、閲覧や操作の履歴を詳しく確認できるため、内部統制につながります。
製品選びのポイント
文書管理システムは製品ごとに備わっている機能が異なります。自社に合った製品を選ぶために見るべきポイントを紹介します。
ポイント①必要な機能があるか
システムの導入前に、要件を明確にしておきます。どんな文書をどのように管理したいのかによって、必要な機能が変わります。せっかくシステムを導入しても、機能が足りていなかったら製品の置き換えや文書の移行に大きなコストがかかってしまいます。
たとえば、ペーパーレス化を目的にしている場合は紙文書をデジタル化する機能が必要ですし、製造業などにおいて活用する場合はマルチデバイスに対応した製品が良いでしょう。自社に必要な機能を正しく見極めることで活用が定着します。
ポイント②検索性の高さ
機能の中でも特に重要なのが、検索の方法です。たとえば、文書ファイルの中身まで検索できる「全文検索機能」があるか、「全文一致検索」と「あいまい検索」が使えるのか、画像のOCR処理は可能か、などの観点から検索性を比較できます。検索のしやすさによって、文書管理システム導入の効果は大きく変わります。保管する文書によって必要な検索機能が違うため、自社に合った検索機能を探してみましょう。
ポイント③法令や認証への対応
文書管理に関わる、さまざまな法令や制度が存在します。企業によっては、それらの法令や制度に合わせた文書管理が求められる場合があるため、導入する製品が規程を満たしているか確認しましょう。
たとえば、電子帳簿保存法に対応した製品を選ぶには、タイムスタンプ機能や改訂履歴の確認機能などが必要となります。電子帳簿保存法に対応した製品はJIIMA認証を取得している場合も多いので、認証の有無を確認するのも良いでしょう。
また、ISO9001やISO14001を取得している企業であれば、ISOの規定に沿った文書管理が求められます。文書の原本管理や定期的な見直しがしやすい製品を選ぶ必要があります。
ポイント④使いやすい画面デザインかどうか
文書管理システムは、多数の部署で使用する可能性があります。せっかく導入しても、使いにくい製品では、活用が定着しません。
直感的に操作できる分かりやすいデザインの製品を選ぶことで、積極的な利用を促せます。文書管理システムの積極的な活用が広がることで、社内のナレッジシェアの推進にもつながります。
製品選びのポイント一覧
その他にも、下記のようなポイントも、製品を選ぶ際の参考になります。
- 目的を達成できる機能はあるか
- 検索機能(全文検索、紙文書のOCR検索)
- ワークフロー機能(電子承認)
- ファイルのダウンロード禁止、印刷制御、透かし挿入
- ISO文書管理、電子帳簿保存法などへの対応機能
- セキュリティの水準は高いか
- 閲覧/編集など細かくアクセス権が制御できるか
- 閲覧/操作履歴が記録され、確認できるか
- アカウントロックや認証サービス連携など不正アクセスを防止する仕組みがあるか
- 他のシステムとの連携が可能か
- 認証サービス連携との連携(不正アクセス防止)
- 電子契約サービスとの連携
- 日々の運用にかかる手間は抑えられるか
- 登録や通知などを自動化できるか
- 異動や組織改編に無理なく対応できるか
- 利用規模の拡大に柔軟に対応できるか
- 上位ライセンスへのアップグレード
- システム構成の変更(スケールアップ、スケールアウト)
- 提供形態(クラウド型/オンプレミス型)は自社に合っているか
- 構築や運用に対するサポートは充実しているか
- イニシャルコスト、ランニングコストが予算内か
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簡単な製品説明からでもお気軽にご相談ください
製品選びの失敗例
さまざまな文書管理システムが販売されていますが、それぞれの製品に少しずつ特徴や機能の違いがあります。組織に合わない製品を導入するとうまく活用できない場合も多くあります。
ケース①導入が難しくスムーズに進まない
文書管理システムの導入を検討するにあたって、「導入の流れがわからない」「導入までにやることが多すぎて時間がかかる」といった事態に陥る場合があります。特に紙文書の電子化をする場合には、スキャン作業にも手間がかかります。また、システムを構築する際にも、フォルダの分け方や権限の設定などの要件を決めなければなりません。導入時に躓かないためには、情報システム部門やベンダーとこまめに連携して動く必要があります。
導入の流れに関しては下記の記事でも詳しく解説しています。
文書管理システム導入で失敗しないための6ステップケース②セキュリティ対策が不十分
文書管理システムでも、契約書などの機密情報を扱う場合があります。また、多数の社員がアクセスする場でもあるため、セキュリティ対策は重要です。アクセス権限の設定が柔軟にできない場合や、ダウンロード・持ち出しの制限がかけられない製品は、活用の幅が広げにくくなります。また、情報漏えいなどのリスクにもつながりかねません。
ケース③社内での製品活用が浸透しない
いざ製品を導入しても、社内での活用が浸透しない場合があります。活用が進まない理由としては、拡張性が乏しく必要な機能が足りない/規模をカバーできないこと、機能が使いにくいこと、運用ルールが定まっていないこと、などが挙げられます。まずは導入前に必要な機能などの要件を見定めることが第一です。その上で、ファイルの命名規則や、フォルダ分けの規則など具体的な運用ルールを定めて社内で共有します。
ケース④文書量が増えると動作が遅くなる
積極的な文書管理システムの活用が浸透すると、システムに登録される文書の数が増えがちです。その際に、製品によってはシステムの動作が遅くなってしまう場合があります。文書を素早く見つけたり、登録をスムーズに行うことができなければ、文書管理システムを導入するメリットが減少してしまいます。
ケース⑤サポートの対応が遅い・悪い
いざという時のために、サポートが充実しているかどうかも大切なポイントです。たとえば、更新の迫った契約書を探しているのに、システムがうまく作動しないといった場合に、自社だけで対応するのはリスクがあります。そんな時に、迅速かつ正確な対応が可能で、相談しやすいサポート体制がある製品だと心強いです。
楽々Document Plusの特長
楽々Document Plusは社内文書を一元的にまとめ、高性能な検索機能やセキュリティ機能で管理できる文書管理システムです。以下に、楽々Document Plusの代表的な4つの特長を紹介します。ぜひ製品選びの参考にしてみてください。
特長 01 幅広い管理業務・ドキュメントに対応可能
楽々Document Plusはバックオフィス部門や営業部門などさまざまな部門・管理業務に対応しています。契約書の管理、ISO文書の管理、営業報告書の管理などを、ひとつのシステムでまとめて行えます。また、紙の契約書やPDFの図版など、業務によって異なる多様なドキュメントにも対応可能。現場のペーパーレス化を実現します。
特長 02 シェアNo.1*のエンタープライズサーチ製品を搭載
シェアNo.1の当社エンタープライズサーチ製品「QuickSolution」が標準搭載されています。AI技術が搭載された高性能な検索機能と高速検索で欲しい情報がすぐ手に入ります。表記ゆれに左右されない全文検索機能、シソーラス辞書との連携、紙文書のOCR処理などで、漏れなく検索可能です。
* 当社のQuickSolutionは、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2017~2024年版」検索エンジンパッケージ市場(2016~2023年度)でシェアNo.1を獲得。特長 03 充実のサポート体制とUI/UX改善をはじめとした継続的な製品改善
サポートサイトを設置し、お客さまの問い合わせに迅速に対応。バージョンアップモジュールやマニュアルの検索機能の提供も行っています。また1年に3回顧客アンケートを実施。お客さまの声をもとに、UI/UXをはじめとした製品改善にも力を入れています。
特長 04 組織体制・規模に合わせて選べる導入形態
導入形態はクラウド版・オンプレミス版をご用意しています。小規模から始めたいお客さまにはクラウド版、全社的に導入したいお客さまにはオンプレミス版、など組織体制に最適な導入形態を選択いただけます。