長年利用してきたレガシーシステムでは、技術の老朽化や保守人材の不足、システムの複雑化・属人化などにより、改修や継続的な運用が難しくなることがあります。
レガシー刷新には、既存環境を移行するリホストやリプラットフォーム、アプリケーションを再構築するリライト/リビルドなど、さまざまな手法があります。

楽々Framework3は、その中でも主にリライト/リビルドによるWebシステム再構築を支援するローコード開発基盤です。
AS/400・メインフレーム、Access・VBA・VB、Notes、長年の改修で属人化したスクラッチシステムなどを対象に、残せるデータや既存資産は生かしながら、必要な部分をWebシステムとして再構築できます。
データモデルの整理、プログラムの自動生成、GUIによるカスタマイズ、Javaなどによる機能拡張を組み合わせることで、既存業務を単に新しい環境へ置き換えるだけでなく、今後の保守・改善を見据えたシステムへ見直すことが可能です。
さらに、再構築後も仕様の把握や影響分析、稼働状況の確認などを同じ基盤で行えるため、新しく作り直して終わるのではなく、長期にわたって保守・改善しやすいシステムづくりを支援します。

本ページでは、楽々Framework3を活用したWebシステム再構築の方法と、移行元システムごとのポイントをご紹介します。

関連情報:レガシー刷新の手法や進め方を詳しく見る

1.さまざまなレガシーシステムをWebシステムへ再構築

楽々Framework3は、メインフレームやAS/400、Notes、VBなどで構築された既存システムから、個別に開発・管理されてきた業務システムまで、さまざまなレガシーシステムのWeb化・再構築に活用できます。
例えば、次のような課題を抱えるシステムがモダナイゼーションの対象となります。

さまざまなレガシーシステムをWebシステムへ再構築

AS/400・メインフレーム・オフコンをWeb化したい

RPGやCOBOLなど旧来技術を扱える人材が減少し、今後の保守・改修に不安がある。一方で、長年利用してきた業務やデータはできるだけ生かしたい。

Access・VBA・VBなどで作られた業務システムを見直したい

部門や業務ごとに個別開発されたシステムが増え、担当者への依存や保守・改修の負担が大きくなっている。

Notesで作り込まれた業務アプリを移行したい

Notes上に業務ロジックやデータが蓄積され、担当者の異動・退職などによって仕様の把握や継続的な保守が難しくなっている。

独自開発したシステムの属人化を解消したい

スクラッチで構築したシステムに長年の改修が積み重なり、特定の担当者しか仕様や改修方法を把握できない状態になっている。

レガシーシステムの刷新では、すべての資産を一から作り直す必要があるとは限りません。
既存のデータベースやデータ、業務ロジックなど、今後も利用できる資産は生かしながら、必要な部分を新しいWebシステムとして再構築することもできます。

楽々Framework3では、既存データベースを利用した再構築や、既存システムの一部を残しながら進める段階的な移行、業務やデータ構造から見直す新規再構築など、現行システムの状況に合わせたモダナイゼーションを支援します。

2.楽々Framework3によるWebシステム再構築

楽々Framework3では、「データモデリング」「プログラムの自動生成」「GUIによるカスタマイズ」「アドオンによる機能拡張」という4つのステップでWebシステムを構築します。
既存データを生かす場合から、業務やデータ構造を含めて見直す場合まで、現行システムの状況に応じて再構築を進めることができます。

楽々Framework3によるWebシステム再構築
01

データモデルを整理する

まず、新しいシステムで利用するテーブルや項目などのデータ情報を整理します。
新たにデータモデルを設計するほか、Oracle、SQL Server、PostgreSQL、DB2、MySQLなどの既存データベースと接続し、テーブル定義情報を逆生成することも可能です。そのため、「業務やデータ構造から見直して新しいシステムを構築する場合」、「既存のデータベースを生かしてアプリケーション部分をWeb化する場合」の双方に対応できます。

02

テーブル定義から動くプログラムを自動生成する

整理したテーブル定義をもとに、業務システムの土台となるプログラムを自動生成します。
楽々Framework3では、住友電工グループのシステム開発ノウハウを組み込んだ標準部品を利用し、検索・登録・更新・削除などの基本処理や、データベースへのアクセス処理を備えた、実際に動作するプログラムを生成できます。

レガシーシステムの刷新では、多数の画面や機能を作り直すことがあります。すべてを一から実装するのではなく、一定水準の品質を備えた動作するプログラムを起点にできるため、品質のばらつきを抑えながら再構築を効率的に進められます。

03

GUIで業務に合わせてカスタマイズする

自動生成したプログラムをベースに、統合開発環境「RakStudio」を利用して業務に合わせたカスタマイズを行います。画面レイアウトや画面遷移、SQL、処理ロジックなどを、用意された部品や設定項目を使ってGUIで構築します。

また、設定内容は画面単位・プログラム単位・システム全体など、適用する範囲を指定できるため、共通化する設定と個別に調整する設定を使い分けることができます。共通の部品と開発方法を利用することで、担当者ごとの実装方法の違いを抑え、再現性のある開発が可能です。
多くの画面や機能を複数の開発者で分担するレガシー刷新においても、品質や開発標準を維持しながら再構築を進められます。

04

アドオンで個別・複雑な業務要件に対応する

標準機能や部品だけでは対応できない、企業固有の業務要件や複雑な処理については、アドオンによる機能拡張が可能です。楽々Framework3では、Java、JavaScript、HTML、CSSを利用して、必要な部分に個別のロジックや画面処理を組み込めます。

長年利用されてきたレガシーシステムには、企業独自の業務ルールや複雑な処理が蓄積されていることがあります。すべての業務をローコード基盤の標準機能に合わせるのではなく、共通的な部分は標準機能や部品を活用し、企業固有の要件だけを個別に実装することで、既存業務に対応したシステムを再構築できます。

業務システムに必要な機能も共通の基盤で構築

楽々Framework3では、CRUDをはじめ、グラフや帳票など業務システムで利用されるさまざまな画面・処理を、1,000種類以上の開発部品を組み合わせて構築できます。
既存システムに多数の画面や機能がある場合でも、共通の部品と開発方法を利用して再構築することで、システム全体で開発方法の標準化を実現できます。

また、Web画面だけでなく、帳票出力やバッチ処理、外部システムとのデータ連携など、業務システムに必要な周辺機能も同じ基盤で構築できます。
CSVによるデータ連携やデータベースの直接参照、Web APIの作成・呼び出しなどにも対応しており、既存システムや新しい外部サービスと連携したシステム構成も可能です。

3.レガシーシステム別の再構築ポイント

レガシーシステムの種類によって、生かせる既存資産や再構築時に重視するポイントは異なります。ここでは、代表的なレガシーシステムごとに、楽々Framework3を利用した再構築のポイントを紹介します。

レガシーシステム別の再構築ポイント

AS/400・メインフレームからWebシステムへ

AS/400やメインフレームなどのホスト系システムでは、長年蓄積されたデータや業務ロジックをすべて作り直すのではなく、活用できる既存資産を残しながら、必要な部分からWebシステムへ再構築できます。

例えばAS/400では、既存のDB2を利用して新しいWeb画面を構築することで、AS/400の基盤やデータを生かしながらフロント部分からWeb化できます。
また、既存のバッチ処理や業務ロジックを残し、新しいシステムと連携しながら段階的に移行することも可能です。PCMLを利用すれば、楽々Framework3で構築したJavaアプリケーションから既存のAS/400プログラムを呼び出す構成も取ることができます。

画面の再構築では、テーブル定義をもとにCRUD処理を備えたプログラムを生成できるほか、親子・親子孫など関連する複数テーブルの情報を一つの業務画面にまとめることも可能です。
既存画面をそのままWebへ置き換えるだけでなく、複数画面に分かれていた登録・更新作業や関連するマスタを一つの画面に集約するなど、Web化を機に操作性や業務効率の改善を図れます。

また、従来の端末操作に慣れた利用者が多い場合には、Enterキーやファンクションキーなどに操作を割り当て、マウスを使わずに入力を進められる画面を構築するなど、従来の操作感を考慮しながら新しいWebシステムへ移行いただけます。

AS/400からの移行について詳しく見る

Access・VBA・VBなどの業務システムをWeb化

AccessやVBA、VBなどで個別に開発された業務システムは、長年の利用によってシステムやデータが部門ごとに分散し、改修やデータ管理が複雑になっていることがあります。
こうしたシステムを刷新する際には、既存の画面や処理をそのままWebへ置き換えるだけでなく、現在の業務やデータを整理し、必要に応じてデータモデルから見直すことが重要です。

楽々Framework3では、DOA(データ中心設計)の考え方にもとづき、システムで扱うデータやテーブル構造を整理したうえでアプリケーションを構築することが可能です。
部門やシステムごとに個別管理されてきたデータを見直し、今後も継続して利用しやすいデータ構造へ整理したうえで、新しいWebシステムとして再構築できます。

AccessやVBA、VBなどで構築された業務システムでは、Accessファイルにデータを保持しているものから、OracleやSQL ServerなどのRDBを利用しているものまで、さまざまな構成があります。楽々Framework3では、既存データベースを生かした再構築が可能です。
一方、Accessファイルなどにデータを保持している場合は、Web化にあわせて対応するRDBへデータを移行し、新しいデータ基盤として整理します。

また、複数のRDBを利用している場合には、異なるデータベースの情報を一つの画面上で参照・表示することもできます。そのため、すべてのデータを一度に統合するのではなく、既存資産を生かしながら必要な部分から段階的に再構築することも可能です。

さらに、AccessやExcelを利用した業務では、一覧形式での入力や表計算ソフトに近い操作性が重視される場合があります。
楽々Framework3では、マウスレス操作に加え、スプレッドシート連携オプションを利用することで、ブラウザ上でもスプレッドシート形式でデータを表示・編集する画面を構築できます。
現在の業務で重視されている入力方法や操作感を考慮しながら、Webシステムとして使いやすい画面へ近づけられます。

Notesで構築した業務アプリケーションを再構築

Notesでは、データベースだけでなく、業務ロジックや画面、ワークフローなどが一体となって作り込まれているケースがあります。
そのため、移行時にはまずNotesDBを棚卸しし、利用状況や業務上の必要性を確認したうえで、移行するもの、継続して保管するもの、移行対象外とするものを整理することが重要です。

また、Notes上のすべての機能を一つのシステムへ置き換える必要はありません。メールや情報共有、文書管理、ワークフロー、個別に作り込まれた業務アプリケーションなど、それぞれの役割を整理し、適した移行先を選択します。

作り込まれた業務アプリケーションは楽々Framework3でWebシステムとして再構築し、申請・承認などのワークフローは楽々WorkflowIIと組み合わせて実現できます。
標準機能だけでは対応できないNotes独自の業務ロジックや複雑な処理についても、楽々Framework3による機能拡張を組み合わせることで、企業固有の業務要件に対応可能です。

大量のNotesDBが存在する場合には、業務の重要度や機能の複雑さなどに応じて優先順位を付け、段階的に移行することもできます。
Notes独自の作り込みをそのまま新環境へ移すのではなく、必要な業務・データ・ワークフローを整理したうえで、それぞれに適した形で再構築することで、将来の保守や改善を行いやすいシステムへ見直せます。

Notesからの移行について詳しく見る

属人化したスクラッチシステムを再構築

スクラッチで開発されたシステムでは、長年の改修によって処理が複雑化したり、開発担当者の異動・退職によって仕様を把握できる人が限られたりすることがあります。

例えば、

  • ドキュメントと実際のシステムに差異がある
  • ソースコードの変更が難しい
  • 改修のたびに影響範囲の調査に時間がかかる

といった状態です。
こうしたシステムを単に新しい技術で作り直すだけでは、将来的に同じ問題が繰り返される懸念があります。

そのため、現行システムの仕様や業務を整理し、利用できるデータや機能などの既存資産は生かしながら、必要な部分を再構築することが重要です。既存のRDBを利用している場合、楽々Framework3にテーブル定義を取り込んでデータ資産を生かしながら、新しいWebアプリケーションとして再構築することもできます。

楽々Framework3では、標準部品や共通の開発方法を利用してシステムを再構築できます。特定の担当者しか扱えない独自の開発方法から、共通の開発基盤・開発方法へ移行することで、新しい担当者への教育や技術継承もしやすくなります。

属人化したシステムの刷新では、「新しいシステムを再開発できること」だけでなく、再構築後に再びブラックボックス化・属人化しにくい開発・保守環境へ見直すことが重要です。

4.再構築後も長く保守・改善できるシステムへ

モダナイゼーションでは、既存システムを新しい技術や環境へ置き換えることだけでなく、再構築したシステムをその後も長く保守・改善できる状態にしておくことが肝心です。新しいシステムを構築しても、仕様が分からなくなったり、担当者に依存した改修が積み重なったりすれば、将来的に再びシステムがブラックボックス化・複雑化する可能性があります。
楽々Framework3では、システムの再構築だけでなく、稼働後の保守・運用、継続的な改修まで同じ開発基盤で支援します。

レガシーシステム別の再構築ポイント

仕様を把握し、変更による影響を確認しながら改修

長期間利用するシステムでは、構築時の仕様や設計情報を維持し、変更時に影響範囲を把握できる状態にしておく必要があります。
楽々Framework3では、開発したシステムから仕様書を生成可能なため、実際のシステムと仕様情報の差異を抑えながら、設計情報を維持できます。

また、影響分析機能を利用することで、変更する項目やテーブルがどのプログラムで利用されているかを確認できます。データモデルを変更した場合には、変更に伴って必要となるテーブルの再作成や、影響を受けるプログラムなどを自動的に洗い出し、対応すべき作業としてタスク化し、管理することも可能です。

そのため、改修時に「どこまで影響するのか」を把握し、「次に何を対応すべきか」を確認しながら作業を進められます。長期間の機能追加によってシステムが複雑になった場合でも、変更漏れや対応漏れを防ぎながら、計画的に保守・改修を進めやすくなります。

稼働状況を把握し、安定した運用を支える

システムを長期間利用するためには、稼働後の状態を把握し、トラブルが発生した際に原因を確認できる環境も重要です。
楽々Framework3では、コネクションやセッションの状態を監視し、不要な接続を切断するなど、システムの安定運用を支援する機能を備えています。また、エラー、デバッグ、トレースなどのログを必要に応じて閲覧・収集できます。

さらに、運用中のアプリケーションから収集したデータをもとに、稼働状況やトラブル発生時の状態を確認することもできます。システムの状態を把握しながら、問題発生時の調査や継続的な運用を支援します。

運用・保守で役立つ機能について詳しく見る

EOLを気にせず、同じ基盤で改善を続ける

モダナイゼーションでは、既存システムを新しくするだけでなく、再構築したシステムをその後も長く使い続けられる基盤を選ぶことが大切です。
楽々Framework3は、発売開始から25年以上、EOLを設けることなく継続してサポートを提供しています。そのため、開発基盤のサポート終了を理由に、再び大規模なシステム刷新を迫られるリスクを抑えながら、長期的に利用できます。

また、定期的なバージョンアップによって、最新技術や市場の変化に対応した機能を継続的に提供しています。バージョンアップ版は無償で提供されるため、システムの特性や運用状況に応じて、必要なタイミングで新しい機能を取り込むことができます。

再構築後も同じ開発基盤を利用しながら、業務やシステム環境の変化に合わせて継続的に改善することで、長期運用とシステムの進化を両立可能です。
モダナイゼーションの目的は、単に古いシステムを新しくすることではありません。再構築後も保守・運用・改善を続けられる環境を整え、システムが再びレガシー化することを防ぐことが重要です。

5.モダナイゼーション事例

楽々Framework3は、AS/400やVB、Notesなどで構築されたシステムのWeb化から、老朽化・属人化したシステムの再構築まで、さまざまなモダナイゼーションに活用されています。 現行システムの構成や残したい既存資産によって、適した再構築方法は異なります。
ここでは、楽々Framework3を活用した代表的なモダナイゼーション事例をご紹介します。

AS/400の既存資産を生かしながらWeb化

IBM i(旧AS/400)上のRPGやCOBOLシステムを楽々Framework3で再構築。既存のバッチ処理や業務ロジックを生かしながら画面部分をWeb化し、関連するマスタを一つの画面へ集約するなど、システムの利便性向上も実現しています。

VBで構築された複数の業務システムを再構築

VB6.0で構築された調達管理、営業情報管理、建築竣工データ管理、経理関連など24種類のシステムを楽々Framework3で再構築。多数の既存システムをWebシステムへ移行した事例です。

Notesから新しい業務・ワークフロー基盤へ

Notesで利用していた業務アプリケーションを整理し、楽々Framework3と楽々WorkflowIIを組み合わせた新しい業務基盤へ移行。複雑に作り込まれた電子決裁なども、標準機能とアドオンを組み合わせて再構築しています。

属人化・老朽化した開発環境を刷新

システムに精通した技術者の異動・退職や、老朽化した開発基盤を課題として楽々Framework3を導入。システムの更改とともに開発方法の標準化やJavaによる開発体制を整え、若手技術者への教育や維持管理の引き継ぎをしやすい環境を構築しています。

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