エンタープライズサーチとは?

エンタープライズサーチとは、企業のデジタルデータを、保管場所(社内のサーバやクラウドサービスなど)を気にすることなく横断検索するための企業内検索システムです。業務効率化、ナレッジ活用、DX推進に欠かせないツールとして広く利用されています。
ここではエンタープライズサーチの概要や導入効果について紹介します。
20年以上の長きにわたりエンタープライズサーチ(企業内検索)を提供する住友電工情報システムが、エンタープライズサーチ製品である QuickSolution の活用事例を交えながら、エンタープライズサーチについて徹底的に解説します。
目次
エンタープライズサーチの概要をご紹介
このページの冒頭でも触れましたが、エンタープライズサーチ(Enterprise Search、企業内検索)とは、Officeファイルなどの企業内のデジタルデータを、保管場所(社内のサーバやクラウドサービスなど)を気にすることなく横断検索するためのシステムのことです。他にも、企業内検索エンジン、企業向け検索、エンタープライズ検索、社内検索、イントラネット検索などの呼び方があります。
一般的に企業向け検索システムを意味するエンタープライズサーチ(Enterprise Search、企業内検索)ですが、中央省庁や各種自治体、教育機関など、様々な組織・団体で利用されています。このページでは、これらの組織・団体を便宜上「企業」と表現し、説明します。
企業のデジタルデータの保管場所は、ファイルサーバ、Webサイト、データベース、Notesなどのグループウェアなどの社内サーバ(オンプレミス)だけでなく、クラウドを利用したSharePoint Online、Teams、OneDrive、Box、Google ドライブなど多岐に渡ります。また、ファイルの種類もOfficeファイル、PDF、画像ファイル、ZIPなど多様化しています。
エンタープライズサーチを利用すれば、これらの社内外に点在するデジタルデータを一括して、ファイルの中身まで横断検索が可能で、業務効率化やナレッジ活用を促進できます。
エンタープライズサーチを一言で表すと、インターネットサーチである Google / Yahoo! の社内版のようなイメージですが、エンタープライズサーチには権限を考慮した検索が必要です。
ここからはエンタープライズサーチの詳細について、下記のエンタープライズサーチ概念図を用いて3つのポイントで解説します。

【ポイント1】点在する情報を横断的に検索・活用
エンタープライズサーチは、文書がどこに保存・管理されているかを意識することなく、様々な形式のファイルを超高速に横断検索することができます。
OfficeファイルやPDFはもちろん、Webサイト、グループウェア、文書管理システム、ワークフローシステム、皆様の社内にある独自システムから、クラウドサービスであるMicrosoft 365、Box、Google ドライブまで、社内外(オンプレミス、クラウド)に点在する情報を横断的に全文検索します。
QuickSolutionで検索可能なデータは、検索対象データ一覧をご覧ください。
【ポイント2】ファイルの中身まで検索
エンタープライズサーチは、ファイル名や日付はもちろん、文書(ファイル)に含まれるすべての文字情報を対象として検索できます。
合致する文字列(キーワード)を検索することができる全文検索は、ファイルの所在やファイル名がはっきりしない場合などに非常に有効な検索手法です。
詳細は、全文検索とはをご覧ください。
【ポイント3】権限別に結果を表示
エンタープライズサーチでは、データへのアクセス権を考慮した検索機能が必要不可欠です。機密文書や他部署に見られては困る社内データに対して、アクセス権限設定をしておくだけで、アクセス権限があるものだけを検索結果に表示します。Active Directory等と連携したシングルサインオンも可能です。
詳細は、アクセス権限管理&セキュリティをご覧ください。
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エンタープライズサーチが企業にもたらす効果を解説
エンタープライズサーチは情報探しプロセスを根本から変革します。企業内での情報探しプロセスを変革することは、業務効率化、コスト削減、ナレッジマネジメント、DX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に促進するとともに、働き方改革も実現します。
【エンタープライズサーチ導入効果1】業務効率化&コスト削減
情報探しに費やす時間は何の価値も生みださないムダな時間。平均して1日およそ30分間、私たちは業務の中で情報を探す作業をしていると言われています。社員100人の会社で計算すると、年間に約5,000万円分が無駄な「情報探し」の時間として費やされています。
以下の表を参考に、皆さまの会社で情報探しに費やされている年間コストの目安を紹介します。
情報探しの 年間コスト |
従業員数 | ||
---|---|---|---|
50名 | 100名 | ||
1日に情報探しに 費やす時間 |
15分 | 1,250 万円 |
2,500 万円 |
30分 | 2,500 万円 |
5,000 万円 |
|
60分 | 5,000 万円 |
1億円 |
※従業員1人の年間コストを800万円として計算しています。
このような無駄な時間を簡単に減らし、業務を劇的に改善するにはどうすればいいでしょうか。
エンタープライズサーチは企業内のファイルサーバやWebサイト、データベース、クラウドサービスの中を、ファイルの中まで横断検索して、探していた情報に素早くアクセスできます。エンタープライズサーチの導入は、この情報探しに費やされる時間を大幅に短縮し、コスト削減効果をもたらすでしょう。
詳細は、エンタープライズサーチの導入効果をご覧ください。
【エンタープライズサーチ導入効果2】ナレッジマネジメント
ファイルサーバなど膨大な情報の中に埋没した有益な情報を探し出すのは容易ではありません。単に保管しているだけでは、膨大な情報資産の山に埋もれてしまいがちで、企業全体としてのナレッジに昇華させることは困難です。それらの文書を有効活用するには、伝達し共有する方法の確立が最も重要になります。
インターネット上に蓄積されたページ(知)を発見する「検索」が不可欠なように、ナレッジマネジメントの実現においても「エンタープライズサーチ」は重要なツールです。高度な「検索」が実現できてこそ、個人の知⇒組織の知として活用することが可能となります。

詳細は、ナレッジマネジメントをご覧ください。
【エンタープライズサーチ導入効果3】DX推進
近年、世界中のあらゆる業種においてDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが加速しています。効率的にデータ活用を行うためには、第一にデータのデジタル化、第二にそれを活用する最適なツールの導入が必要不可欠です。
デジタルデータの活用ツールとして一番に挙げられるのがエンタープライズサーチです。「検索」というツールは比較的身近で利用しやすいものであることから、エンタープライズサーチを用いたDXをDX推進の第一歩とするのが最適解でしょう。直感的な操作性を備えたエンタープライズサーチは、DX推進の難しさを感じておられる企業様にとっても最適な検索DXのツールです。
詳細は、検索DXをご覧ください。
エンタープライズサーチの歴史
この項では進化を続けてきたエンタープライズサーチの歴史についてご紹介します。
2000年代初頭
エンタープライズサーチが登場。当時はそれほど企業のデジタル化が進んでおらず、エンタープライズサーチの利用も限られていました。
2000年~2005年頃
社内向けのさまざまなシステムが普及。企業内の各システムに格納された情報探すには、それぞれのシステムに都度ログインして、個別に検索する必要が出てきたため、多くの企業でエンタープライズサーチの導入が進んでいきます。
2010年頃~
企業のデジタル化が加速。2011年頃からは「ビッグデータ」という言葉が注目されるようになります。膨大に増え続けるデータに対し、検索効率の向上が求められるようになりました。また、大手IT企業が続々とクラウドサービスを発表し、社内だけでなくBoxやMicrosoft 365などのクラウドサービスにも企業のデジタルデータが格納されるようになりました。社内(オンプレミス)と社外(クラウド)を検索対象とした横断検索のニーズが生まれました。
2010年代後半~
AI技術が発展。さらなる検索効率/精度の向上を目指し、エンタープライズサーチにもAI技術(統計的自然言語処理、機械学習、セマンティック検索、コグニティブ検索など)が導入されるようになります。
今日ではエンタープライズサーチが多くの企業に普及しています。
単なる情報検索だけでなく、文書分類機能や充実した分析系機能なども提供されており、高度な企業内検索エンジンとしての幅広い活用が期待されています。
構造化・非構造化データとエンタープライズサーチ
この項では構造化・非構造化データとエンタープライズサーチの関係について説明します。
データには構造化データ、非構造化データに2種類があります。
構造化データとは「列」と「行」の概念をもつデータで、具体的には整理して記載されたExcelやCSVファイルなどのことです。データの解析や分析に適した構造で検索、集計、比較などが行いやすい特徴があります。
一方、非構造化データとは構造化データ以外のデータを指します。具体的にはメール、議事録、提案書といった文章などです。日常業務で使う機会が多いため、大量に蓄積されますが検索、集計、比較などが難しいです。
通常は検索の難しい非構造化データですが、エンタープライズサーチは自然言語処理などを利用して、精度の高い検索を可能にしています。ここで使われている自然言語処理とは、人が使っている言語をコンピュータで分析する技術のことです。
特に、エンタープライズサーチQuickSolutionは、検索効率/精度の向上を目指し、検索処理の改善を日々行っています。また、高度な自然言語処理を用いた検索のほかに、検索結果のフィルタで更新日時やファイル種類を絞込む機能なども用意しており、社内に蓄積された情報を構造化・非構造化データに関わらず、スムーズに探せるようになるでしょう。
次項では、住友電工情報システムが20年以上にわたって提供するエンタープライズサーチ QuickSolutionについてご紹介します。
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純国産のエンタープライズサーチQuickSolutionとは?
QuickSolutionは、数100TB規模のデジタルデータでも万全のセキュリティで高速・高精度に横断検索できるシェアNo.1のエンタープライズサーチです。純国産・完全自社開発のAI検索エンジンを搭載しており、日本語の意味を理解した検索などOSS(オープンソース)の検索エンジンには実現が難しい高精度な検索が特長です。
エンタープライズサーチQuickSolutionは時代の先端を行く研究開発により、他を圧倒する性能と操作性を兼ね備えており、2001年の販売開始から20年以上、さまざまな業種の企業様・団体様にご導入いただいています。
エンタープライズサーチQuickSolution導入企業様については導入企業・団体名一覧をご覧ください。また、QuickSolutionの製品概要や検索の流れについては、QuickSolutionとはから紹介動画をご覧ください。
エンタープライズサーチQuickSolutionの先進機能
エンタープライズサーチで最低限必要とされる機能は、「エンタープライズサーチの概要」の章で解説したとおりですが、QuickSolutionには企業内の業務効率化、ナレッジ活用、DX推進を支援する先進機能が数多く搭載されています。
ここでは、エンタープライズサーチQuickSolutionの主な先進機能についてご紹介します。
【先進機能1】大容量でも高速! 使いやすい画面でピンポイント検索
QuickSolutionは、数100TB規模のデジタルデータも高速・高精度に横断検索可能な、純国産・完全自社開発のAI検索エンジンを搭載した、大容量に強いエンタープライズサーチです。企業内データは日々増加していきますが、大容量に強いエンタープライズサーチQuickSolutionは将来にわたり安心してご利用いただけます。

検索画面は、フォルダツリーを配したWindowsエクスプローラのようなユーザインターフェースを採用することで、すぐに使える直観的な操作性を実現しており、特別なユーザ教育は不要です。フォルダの選択により、直感的な絞り込み検索を行うことが可能です。
検索結果の右側にはサムネイルが表示され、欲しいファイルが視覚的にも見つけやすくなっています。ビューワ表示では、検索キーワードにヒットしたページが直接開くほか、検索キーワードにヒットしたページだけをページ送りすることもできます。これにより、サムネイルで確認、ビューワで参照という作業が一連の流れになり、検索結果の確認効率が大幅にアップします。
詳細は、かんたんに使える基本検索をご覧ください。
【先進機能2】検索補助機能(サジェスト機能)
検索キーワードの一部を入力すると、候補のキーワードや次の絞込キーワードを一覧表示し、検索キーワードの入力を支援します。正確にキーワードを覚えていない場合や、絞り込みキーワードが思いつかない場合でも、検索キーワードが自動的に提示されるため、効率的に検索ができます。

【先進機能3】あいまい検索、セマンティック検索
エンタープライズサーチQuickSolutionは自然文(話し言葉)で入力された質問文と類似するデータを検索する、あいまい検索(類似検索)が可能です。

あいまい検索(類似検索)を使えば、正確な文章が思い出せない場合や、OCR処理して取り込んだ文書の誤認識(例:1→!)がある場合でも、その違いを吸収して欲しいファイルを全文検索することができます。
詳細は、あいまい検索(類似検索)をご覧ください。
さらに、あいまい検索の利点を引き継ぎながら日本語の構文解析/意味解析を行うことで、検索文の意味により近いものを検索結果の上位に表示するセマンティック検索もご用意しています。

セマンティックを活用した検索エンジンは、利用者の意図・目的に沿った検索が可能なため、検索効率の向上が期待できます。
詳細は、セマンティック検索をご覧ください。
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【先進機能4】画像PDF/写真のOCR検索
エンタープライズサーチQuickSolutionでは文字情報を含むファイルやデータだけではなく、複合機でスキャンして画像として作成されたPDF(画像PDF)や、画像ファイル(写真/イラスト/画面キャプチャなど)に写っている文字も、自動的にOCR処理を行い検索することができます。

仮に、OCRの認識精度が100%でなくても(OCR誤認識)、QuickSolutionには上述のあいまい検索機能があるため、OCR誤認識を吸収した検索が可能です。

これまで検索できなかった画像PDFや画像ファイルが検索可能となることで、スキャンしたままの休眠ファイルなどを情報資産として活用しやすくなり、企業内の情報活用を促進します。
詳細は、画像検索をご覧ください。
【先進機能5】充実した分析機能:Know-Who(専門家検索)、可視化
エンタープライズサーチQuickSolutionにはKnow-Who(専門家検索)や可視化機能など、充実した分析系機能も用意されています。
Know-Who
検索キーワードに詳しい(技術伝承してもらえる)人や部署を探し出し、組織内の情報や暗黙知の共有を支援します。検索結果に関連する人および部署をランク付けして一覧表示し、そこから絞込み検索をしたり、検索結果に関連する人・部署の連絡先などを確認することができます。

可視化(オプション)
検索結果の各データ間の関係を視覚的に表示することができます。内容の意味的関連性に基づいて、検索結果を分類し視覚化することができるため、必要な情報がわかりやすくなり目的の情報に早くたどり着けるようになります。また、全体を俯瞰することで新たな情報の発見を促し、ナレッジ活用を支援します。

- 検索を効率化
必要な情報が分かりやすくなり早く目的の情報にたどり着ける - 全体を俯瞰
全体を見ることで得られる情報がある(例:データ特性による集中と抜け)
詳細は、分析機能も充実をご覧ください。
【先進機能6】AIを利用した多様な探し方:チャットボット、Click Navi
エンタープライズサーチQuickSolutionでは検索画面以外に、AI技術を活用した多様な探し方もご提供しています。
チャットボット(オプション)
エンタープライズサーチQuickSolutionは、FAQやマニュアル登録するだけで利用が開始できるチャットボットも提供しています。登録されたFAQを上述のセマンティック検索することにより、入力された質問文から的確な回答をお答えします。

また、チャットボットでは解決できない問題は、検索画面や後述のClick Naviにシームレスに誘導することができるため、自己解決率を上げて業務を効率化します。
詳細は、AIチャットボット(chatbot)も充実をご覧ください。
Click Navi
Click Naviは『AIで「探し方」改革!』をコンセプトに、文字入力不要でクリックだけで目的の文書にたどり着ける新しい「探し方」を提案します。

シンプルなユーザインターフェースで、表示された検索条件を次々とクリックするだけでよく、キーワードを入力することなく目的の情報にたどり着くことができます。文字入力が不要なためタブレット/スマホの業務利用にも適しています。検索スキル/ITスキルや利用環境(タブレット等)を問わない、簡単な情報探しを可能にすることで、ナレッジ共有/技術伝承(ノウハウ伝承)を強力に支援します。
詳細は、クリックだけで情報探しClick Naviをご覧ください。
QuickSolutionはシステム導入/運用も簡単! サポート体制も万全!
インストール後に検索対象などを設定してインデックスを生成すればすぐに検索可能です。検索画面はフォルダツリーを配したWindowsエクスプローラのようなユーザインターフェースを採用することですぐに使える直観的な操作性・機能を実現しており、特別なユーザ教育は不要です。煩雑なシステム辞書のメンテナンスをしなくても、新語や専門語も検索ができるうえ日々のインデックス更新も高速。QuickSolutionは運用も快適なエンタープライズサーチです。
QuickSolutionは弊社がすべて開発・サポートしており、純国産・自社開発製品だからこそ可能な手厚いサポートに定評があります。今後の変更や他部門への展開時のご相談も、高度なスキルを持った技術者が迅速に対応いたします。
詳細は導入についてをご覧ください。
エンタープライズサーチの活用・導入事例
エンタープライズサーチQuickSolutionを導入された企業様の多くは、社内データの全文検索で業務効率化/ナレッジマネジメントを実現しています。当ホームページでは多くの活用事例を掲載しておりますが、その一部をご紹介します。
なお、上記以外のQuickSolution活用事例についてもこちらからご覧いただけます。