セイコーエプソン株式会社

文書の検索効率3倍&社内ナレッジ利活用を促進!

セイコーエプソン株式会社

全社的な情報共有基盤の確立を目指しQuickSolutionを導入
部門横断的な文書検索を可能にし、社内ナレッジの利活用を促進

プリンターやプロジェクターなどの精密機器メーカーとして高い知名度を誇るセイコーエプソン株式会社(以下、セイコーエプソン)は、全社的な情報共有基盤の確立を目指し、QuickSolutionを導入。ファイルサーバやグループウェア、文書管理システムなどにバラバラに保管されていた文書の部門横断的な検索を可能にした。これにより、同社は文書検索の効率を従来の約3倍向上させたほか、技術情報などの共有を促進し、社内ナレッジの利活用を推進している。

文書検索に1時間/日を浪費する従業員も
部門や工程を超えた情報共有を目指し、検索システムの導入を決定

国内を代表するプリンターメーカーとして知られ、2022年に創立80周年を迎えたセイコーエプソン。無駄を省き、より小さく、より精緻にする「省・小・精」を合言葉に、これまで多種多様な精密機器を世の中に送り出してきた。

セイコーエプソン

昨今は、そうした製品・サービスの「モノ」と、そこから生まれる「コト」をつなぎ合わせ、さらなる高い価値を生み出す「エプソンDX」に注力。スマートフォン接続で簡単に写真や年賀状を印刷できるアプリケーションなどをリリースしている。

その一方で、同社は社内における紙の書類の電子化や文書管理の効率化など、IT技術を用いた業務改革にも積極的。松本南事業所の「DX推進本部」が中心となり、DXによる業務改革の取り組みを進めている。

その一つが2018年ごろから推進している全社的な情報共有基盤の構築だ。この取り組みの狙いについて、松本南事業所DX推進本部IT企画設計部課長の鈴島氏は説明する。

「以前、当社内で文書管理についてのアンケートを実施したところ、特に回答として多かったのが『検索への改善要望』でした。当社ではファイルサーバやSharePoint、文書管理システムなど、複数のシステム基盤で文書を管理していたのですが、アンケートの結果によれば、これらを検索するために1日に1時間以上の時間を要している従業員がいることが分かりました。当社では数多くの製品を製造していますし、部門ごとに文書管理のセキュリティレベルも異なるため、文書を分散的に管理せざるを得ない面があります。しかし、それでは文書検索の効率が低下し、必要な情報を探すためだけに多大な時間を要してしまうわけです。そこで、セキュリティを担保しつつ、必要な情報を、必要なときに取得できる体制の構築を目指しました」(鈴島氏)。

開発、設計、製造など、製品のリリースまでに複数の工程を経るセイコーエプソンでは、工程ごとに文書を管理しなければならない。しかし、その一方で、ユーザからのフィードバックがあった際などには横串的に情報を共有する必要もある。また、従業員の配置転換時には、以前の部署で管理していた文書が急に閲覧できなくなるため、業務効率が著しく低下するといった問題もあった。こうした課題を乗り越えるため、同社は文書を種別毎に適切な場所に保管するよう整理を進めるとともに、それらを横串的に検索し利活用できる仕組みの構築を目指した。

「セキュリティ管理機能」と「日本語の検索能力」を評価し、QuickSolutionを選定
データ分析チームと連携し、システムの全社展開を推進

検索システムの選定にあたって、セイコーエプソンが重視したポイントは2点。1点目はアクセス権限やセキュリティを精緻に管理できること。情報共有を促進したい一方で、技術情報などの機微な情報は厳密に管理する必要がある。部門ごとや職位階層ごとなど、さまざまな基準でアクセス権限を付与できるシステムを求めた。そして、2点目が日本語の検索に優れていること。完全一致検索だけでなく、日本語特有の表記の揺れを吸収した検索にも対応できるシステムを導入することで、検索効率のさらなる向上を目指した。

そして、これらの要件に最も適合したのがQuickSolutionだった。QuickSolutionは検索対象に設定された参照権限を継承でき、さらに検索対象別にグループごとのアクセス権限を設定することも可能で、柔軟かつ厳密なセキュリティが実現できる。さらに純国産の検索システムで、完全一致検索、あいまい検索、属性検索(更新日時やファイル種類などでフィルタ)の3つを組み合わせた高度な検索も可能。選定にあたっては、10製品での比較検討を実施したが、検索の速度でもQuickSolutionが最も優れた結果を残した。

こうしてQuickSolutionを選定したセイコーエプソンは、2019年から導入作業を開始。協力関係にあった社内のデータ分析チームをプロジェクトに迎え、情報共有基盤を構築するうえで、あるべきセキュリティや文書管理の形を模索していった。このとき、特に力を注いだのが検索対象となるファイルのアクセス権限整理と安全確認だった。その状況を松本南事業所DX推進本部 IT企画設計部の小林氏は振り返る。

「もともと当社の目的は『全社横断的な情報共有基盤の構築』であったため、当初から全社展開を見据えて導入を手がけました。例えば、ある部門が管理する文書にアクセス権限を付与する際には、まずプロジェクトの側でファイルを検索して、機密性の高そうな文書については当該部門に確認するといった流れで安全確認を行いました。こうした手順を確立することで、部門ごとにファイルのアクセス権限を整理でき、システムの展開を効率的に進めることができました」(小林氏)。

セイコーエプソンはまず、ビジュアルプロダクツ事業にシステムを導入し、検索対象もファイルサーバ、SharePointとグループウェアに限定して運用を開始した。その後、ビジュアルプロダクツ事業での導入に手応えを得て導入範囲を拡大。新たに8事業にQuickSolutionを導入し、検索対象には文書管理システムやプロジェクト管理ツールなどを追加し、システムの全社展開に向けて着実に歩みを進めていった。

一部ユーザの間では検索効率が10倍向上
社内ナレッジの利活用が、従業員に「ひらめき」をもたらす

現在、セイコーエプソンは約100TB、1.6億件のファイルをQuickSolutionの検索対象としている。活用も定着しつつあり、導入当初にKPIとして設定した「20%以上のユーザが月1回以上利用」を見事達成。導入先事業部のユーザの平均21.5%が毎月QuickSolutionを活用して、文書を検索している。これにより、文書の検索効率は大幅に向上。全ユーザ平均で文書の検索に要する時間は1/3に短縮され、一部のユーザの間では1/10にまで削減された。

セイコーエプソンが導入先事業部で実施した検索効率に関するアンケート結果

また、従業員が社内の情報資産へアクセスしやすくなったことで、ナレッジの利活用が促進されていると小林氏は話す。

「例えば、過去に他事業部で発生した不具合が、今度は別の事業部で発生することは十分あり得ます。これまでは、同様の不具合でありながら、その内容を部門間で共有することが極めて困難でした。しかし、現在ではQuickSolutionにより、他部門の事例などを踏まえたうえでの対応が可能になりました。実際に従業員からも『かつては他部門のメンバーに尋ねないと存在の有無すら分からなかった情報に、簡単に辿り着けるようになった』といった声も挙がっています。また、類似文書検索の機能により、当初探していた文書と似た内容の文書にも触れられるようになったため、従業員が新たな情報に接する機会が増え、設計や開発における『ひらめき』を促す効果も生まれています」(小林氏)。

今後は辞書機能などを活用し、検索精度の向上に注力
全社へのQuickSolution展開を目指す

部門間の横断的な文書検索を可能にしたセイコーエプソンは、今後、QuickSolutionの全社展開を進め、「誰もが必要な情報を、必要なときに、取得できる体制」を目指す。鈴島氏は現在までの取り組みに十分な手応えを感じているという。

「最終的な目標は、全従業員がQuickSolutionを利用して文書を検索できる体制を築くことですが、その実現に向けた土台づくりを終えることができました。これからは専門用語や社内略語でも検索できるようにする辞書機能などを活用し、検索精度をさらに高めていきながら、未導入の事業部にQuickSolutionの展開を進めていくつもりです」(鈴島氏)。

イノベーションの源泉となるのは「知識=ナレッジ」だ。新たな価値の創出を目指す企業にとって、効率的かつスムーズに社内のナレッジを流通させ、かつ最大限に活用することは、重要な課題である。そして、その実現のためには情報共有基盤の構築が欠かせない。セイコーエプソンの事例は社内ナレッジの有効活用を目指す企業の良き参考になるに違いない。

鈴島氏
セイコーエプソン株式会社
松本南事業所
DX推進本部
IT企画設計部
課長 鈴島 氏
小林氏
セイコーエプソン株式会社
松本南事業所
DX推進本部
IT企画設計部
小林 氏

セイコーエプソン株式会社のホームページ

※本事例中に記載の組織名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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