IT資産管理システムとは?主な機能や選び方を紹介
IT資産管理とは
IT資産管理とは、企業や団体が保有するIT関連のハードウェア、記憶媒体などの周辺機器、ソフトウェアといった「IT資産」の状況を把握し、適正な状態に維持・管理することを指します。特にソフトウェアは、ソフトウェア本体だけでなく、その媒体やライセンス証書、さらに保守契約やサービス契約などの契約書も管理対象になります。
IT資産管理の主な目的は次の3つです。
IT資産の把握と効率的な運用
IT資産を確実に把握し会計処理するとともに、効率的な資産の運用や予算立案に役立てます。たとえば、個別に購入していたソフトウェアを別のライセンスで購入したらどれだけのコスト削減効果があるかを比較し評価するためには、どのソフトウェアがどれだけ稼動しているかを把握する必要があります。また、WindowsなどのOSサポート切れに伴うPCの更新なども、対象OSのPC台数を把握していなければ予算立案もできません。IT資産管理はIT資産の効率的な運用に不可欠です。
コンプライアンス対策
ソフトウェアメーカーが利用企業の監査を行い、ライセンス違反に対して多額のペナルティを課すようになりました。それに伴い、以前に比べれば不正利用は減少しています。
しかし、ライセンスに対する認識違いや不注意でライセンス違反を犯す可能性は十分あります。さらに、監査に際して不正利用していないことを示すためには、PCにインストールされているソフトウェアすべてがライセンスを遵守していることを示さなければなりません。これらへの対策としてIT資産管理が重要です。
情報漏えい・セキュリティ対策
IT資産には重要な情報が保持されており、適正に管理されていなければなりません。適正な管理がされていない場合、たとえば、許可されていないソフトウェアのインストールによる情報漏えいや、ミドルウェアやウイルス対策ソフトの更新漏れなどによるウイルス感染などのリスクがあります。これらのリスクを回避するために、PCの資産や挙動を監視したり制御したりする必要があります。
IT資産管理システム導入のメリット
IT資産管理をサポートするのが、IT資産管理システムあるいはIT資産管理ソフトです。
前述のとおりIT資産管理は重要な業務ですが、各資産の状況を正確に把握したり監視するのは手間がかかる作業です。 たとえば、ハードウェアは不動産、建物や設備と同様に固定資産のひとつに属します。企業では所有する固定資産の資産計上、廃却、減価償却などの会計処理を行わなければなりません。そのため、定期的に固定資産を確認する作業を行います。一人一台ずつノートPCを使っている場合、それらを一台ずつ手作業で現物確認するのは手間がかかりすぎます。
また、ソフトウェアであれば、 ライセンスに従って運用されているかどうかの確認が必要です。ソフトウェアはプリインストール、個別に購入、会社単位で契約などさまざまな形態があります。ライセンス違反になるようなインストールが行われていないかを確認するのも大変です。
それらの作業を自動で行い、PCを安全な状態に保つためにIT資産管理システムが役立ちます。IT資産管理システムを導入すると、どのようなソフトウェアがインストールされているか自動的に情報を取得したり、ライセンス番号や利用者情報を利用者に入力してもらうことができます。IT資産に関する情報を集中管理し、管理の手間を削減できます。
IT資産管理システムの主な機能
IT資産管理システムはIT資産管理のすべてをカバーするわけではありませんが、手間のかかる作業を自動化したり、サポートしてくれるシステムです。たとえば、下記のような機能を持つものが多いです。
機能名 | 概要 |
---|---|
インベントリ管理 | PCやサーバ、ネットワーク機器本体の機種やCPU、メモリ、ハードディスクなどの仕様、本体に接続されている周辺機器、及び本体にインストールされているソフトウェアなどの情報を自動収集する |
ソフトウェア資産管理、ライセンス管理 | ソフトウェアの利用実績や購入したソフトウェアのライセンス情報を収集したり、集計したりする |
セキュリティパッチ管理 | 必要なセキュリティパッチを漏れなくタイムリーに抽出し、配信・適用する |
操作ログ管理 | PCの電源ON/OFF、ログイン、アプリケーション起動、ファイル操作の履歴などの操作ログを記録する |
デバイス制御 | PCにUSBメモリやSDカード、外付けハードディスクなどのデバイスが接続された履歴の記録や、接続自体を制御する |
検疫システム | PCなどが社内ネットワークのセキュリティポリシーに適合しているかのチェックと、適さないデバイスの隔離 |
このような機能で、 IT資産の把握と効率的な運用、 コンプライアンス対策、情報漏えい・セキュリティ対策を実現します。また、ここに挙げた以外にも、ソフトウェアの配布やリモートデスクトップなどの機能を持つシステムもあります。
MCoreの機能を見る製品選びのポイント
IT資産管理システムを選ぶ際に気を付けたいポイントを紹介します。
自社に合った機能があるか
製品ごとに機能が異なります。製品の導入前に、IT資産管理システムの導入によって何を達成したいのか目的を定め、それに沿ったシステムを選定します。たとえば下記のように目的とシステムのすり合わせができます。
目的 | 機能 |
---|---|
無駄なIT資産のコストを減らしたい | IT資産を可視化する機能 |
海外の拠点までまとめて管理したい | 外国語や海外利用に対応した機能 |
機密情報の持ち出しを制御したい | 外部デバイス制御機能 |
また、セキュリティ強化の目的で導入する場合には、自社のセキュリティポリシーに対応した機能があるかも確認する必要があります。特定のソフトウェアの利用や特定の情報へのアクセスを禁止している場合などは、それらの制御機能があるシステムだとよいでしょう。
企業によっては、機能が多すぎても無駄になってしまう場合もあります。その場合には、初めから必要な機能だけがそろった製品を導入したり、オプションによって機能を選択できる製品を導入したりするのがおすすめです。
対応するOSやデバイスの種類
製品によっては、Mac端末に対応していない場合もあります。そのため、Mac端末を利用している企業では特に、対応するOSには要注意です。また、Windows端末とMac端末が混在する企業では、両者が一元管理できるシステムかどうかも重要なポイントです。ばらばらに管理しなければならない場合は、管理コストがかさんでしまいます。
また、PC以外にもスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスもIT資産管理の対象となります。モバイルデバイスをよく使用する企業では、モバイルデバイス管理機能もある製品だとよいでしょう。
クラウドかオンプレミスか
IT資産管理システムの中には、クラウド版とオンプレミス版のサービスがあります。
クラウドの場合は、自社でサーバを用意する必要がありません。初期費用を抑えられる点や、メンテナンスの手間がかからない点が魅力です。ただ、オンプレミス版と比べて安全性にリスクがある点や、カスタマイズの幅が狭くなりがちというデメリットもあります。
オンプレミスの場合は、ソフトを自社のサーバにインストールして使用します。自社内のネットワークで使用できるので、クラウド版よりもセキュリティ面のリスクを下げられます。また、自社での使い方に合わせて柔軟に機能を選べたりと、カスタマイズ性が高くなります。MCoreはオンプレミス版で提供しています。
MCoreの特長
MCoreは、ここまで紹介してきたようなIT資産管理の目的を満たすことのできるシステムです。MCoreの特長を4つご紹介します。
特長 01 構成を変更せずライセンスを追加可能。規模や機能を自由に拡張できる
1サーバで数百台から数万台まで幅広い規模の管理に対応しています。IT資産や拠点の増加にも対応できるので、今後の成長を見越した導入にもおすすめです。初回導入時の1インストールのみで管理・運用でき、システム拡張時にも追加コストは不要です。また、20を超える機能を備えています。必要な機能が増えた場合にも柔軟に対応可能です。
特長 02 利用者の業務を圧迫しない軽量な設計
各クライアントPCに導入するMCoreエージェントは、業界トップクラスのコンパクト設計です。メモリ使用量は数MB程度と軽いため、業務を圧迫することはありません。また、MCoreエージェントからのインベントリ送信・操作ログのデータ送信量も数百KB程度で、ネットワークに優しい作りとなっています。
特長 03 海外OSにも対応。外国語でも文字化けせずに使用できる
MCoreなら、1サーバで国内の離れた拠点にあるPCはもちろん、海外拠点に点在するPCまで、すべてまとめて管理できます。また、管理コンソールのラベルを英語表記に、クライアント画面を英語/中国語(簡体字・繁体字)表記にすることも可能です。
特長 04 住友電工グループにおける10万台以上の端末を管理
国内外に展開する住友電工グループを含む、多くの企業で導入されています。自社で利用しているからこそ、高い安全性を保証します。また、自社での利用を通して、ユーザ・管理者目線で操作性の改善を続けています。