総合メディカル株式会社

総合メディカル株式会社

既存システム約300申請を丸ごと移行し、クラウド化を実現
約5,000名の大規模組織を支える「ワークフローインフラ」を確立

医療機関経営のコンサルティングサービスなどを展開する総合メディカル株式会社(以下、総合メディカル)は、老朽化していたオンプレミスのグループウェアを刷新するために、社内ポータルとワークフローシステムの更改プロジェクトを実施。新たなワークフローシステムには、楽々WorkflowII Cloud 環境契約を採用し、市民開発によって既存システムで実施していた申請業務のほぼすべてを移行した。これにより、システムのクラウド化を実現し、M&Aを通じた急速な組織拡大にも対応可能なワークフローインフラを整備した。

既存システムのブラックボックス化により、保守運用の負担が増大
急拡大する組織を支える、新たなシステム基盤を模索

医療機関経営のコンサルティングサービスなどを展開する総合メディカルは、1978年に福岡県で創業。「わたしたちは、よい医療を支え、よりよい社会づくりに貢献します。」という社是のもと、地域の医療と健康を支える多角的な事業を展開している。

同社が現在、とくに注力していることの一つが薬局事業だ。1988年に調剤薬局「そうごう薬局」1号店を開設して以来、同社は医薬連携を重視しながら薬局事業を着実に成長させてきた。近年では、地域薬局のM&Aを積極的に進め、グループ店舗数は800店舗以上に達している。

しかし、その急速な事業拡大の一方で、組織を支えるシステム基盤にいくつかの大きな課題があった。当時の状況について、ICT統括部チーフの内野裕美氏は次のように振り返る。

「以前、当社はオンプレミスのグループウェアを利用して、社内ポータルやワークフローなどを運用していました。しかし、このグループウェアの老朽化が進み、多くの問題が出てきました。中でも、とくに深刻だったのが、ワークフローのブラックボックス化です。当時は、申請フォームや承認フローの設定を各部門に任せていましたが、運用が長く続く中で、担当者の引き継ぎが繰り返され、誰がどう設定したのかがわかりづらくなっていました。業務フロー全体が見えにくくなり、管理の難易度も上がっていました。各部門で管理が難しくなれば、私たちICT統括部がサポートに入らざるを得ませんが、昨今のデジタル化やDXの流れの中で、私たちの業務は増える一方です。すべてに手が回らなくなる前に、既存のグループウェアを刷新し、システム運用にまつわる手間を軽減する必要がありました」(内野氏)。

さらに、総合メディカルは、M&Aにより薬局事業の店舗数を増やしている最中でもあった。急成長する組織を支えるため、より柔軟で強靭なシステム業務基盤が求められていた。

大規模組織に最適の「環境契約」が導入の決め手
WebAPIにより、既存システムの連携を容易に再現

既存のグループウェアの更改を決めた総合メディカルは、システム移行に向けた計画を練りはじめた。その際に念頭に置かれたのがクラウド移行だった。従来は、オンプレミスのグループウェア上でワークフローやポータルなどの複数の機能を利用していたが、サーバの保守管理には大きな負担がかかっていた。そこで、新たなオンプレミスのグループウェアを構築するのではなく、複数のSaaSを組み合わせることで、既存グループウェアの機能を再現する方針をとった。

こうした方針のもと、総合メディカルはSaaSの選定に着手。ワークフローシステムの選定にあたっては、30項目程度の要件表を作成し、比較検討を行い、製品を絞り込んでいった。その結果、導入が決定したのが楽々WorkflowII Cloudだった。

楽々WorkflowII Cloudは、申請フォームや承認ルートをGUIで設定できるため、直感的に操作できる点が特長だ。バージョン管理や部門横断での一元管理も可能なため、「設定の見える化」や「属人化の防止」も期待できた。さらに、決め手となったのが、楽々WorkflowII Cloudの「環境契約」だ。環境契約は、特定の組織がシステムの運用環境を占有して利用できるサービス。通常、楽々WorkflowII Cloudはユーザ単位の課金であるため、従業員数が増加すればその分の費用が必要だった。しかし、環境契約の場合 は、運用環境を占有しているため、ユーザが増加しても費用は追加されない。今後も継続的な組織拡大を見据えている総合メディカルにとって、環境契約はまさに最適な料金体系だった。

環境契約サービスのイメージ。運用環境を占有する契約のため、ユーザ数が増加しても追加費用が発生せず、拡大中の組織でも費用を抑えながら利用できる。

こうして楽々WorkflowII Cloudの導入を決めた総合メディカルは、グループウェアの更改プロジェクトを本格始動した。楽々WorkflowII Cloudに加え、新たなポータルシステムなどの導入を並行して行い、既存のグループウェアからの脱却を図った。この際には、楽々WorkflowII Cloudの連携性が大きく貢献したとICT統括部リーダーの園田裕一郎氏は説明する。

「以前は、既存のグループウェアとID管理システムを連携させて、ユーザ情報などのマスターメンテナンスを自動化していました。更改プロジェクトにあたっては、この連携の再現も重要視しましたが、楽々WorkflowII Cloudでは非常に容易に実現できました。具体的には、ID管理システムのマスターデータをデータ連携ツールに連携し、そこから楽々WorkflowII Cloudが提供するWebAPIで呼び出し、CSVデータを取り込んでいます。更改プロジェクトにおいて「運用コストを低減する」ことは重要ポイントでしたが、こうした連携によりその目的を達成しつつ、導入を進められました」(園田氏)。

各種機能を活用しながら、総合メディカルはプロジェクトを着実に推進。その結果、約1年で既存のグループウェアを刷新し、複数のシステムのクラウド移行を実現した。

約5,000名の社員全員へのシステム展開を実現
ブラックボックス化の解消により、市民開発も可能に

現在、総合メディカルでは、グループ内の75部署、約5,000名の社員が楽々WorkflowII Cloudを利用している。中核企業である総合メディカルでは全社員にシステムが展開されており、グループ会社でも楽々WorkflowII Cloudを利用した業務が段階的に広がっている。

従来の課題であったシステムのブラックボックス化も解消された。総務部の野中理緒氏は利便性の高さを評価する。

「私は総務部が所管する申請フォームの作成などを担当していますが、これまで設定作業に困ったことはほぼありません。システムの管理や運用の経験がなかった私でも、楽々WorkflowII Cloudは直感的に操作できるUIを備えているので、基本的な操作方法さえ覚えれば、とくに困ることなく申請フォームを作成したり、改修したりできます。設定画面はシンプルで見やすいため、他の人への引き継ぎもしやすく、以前のような属人化もしにくくなると思います」(野中氏)。

これは複雑な仕組みの申請フォームであっても同様だ。同社が運用する新規店舗開設連絡書フォームの場合を例に挙げ、総務部の宮本桃果氏は、市民開発が可能になったと解説する。

「新規店舗開設連絡書フォームは薬局を開局する際に起案する申請フォームです。薬局を開局する際に実施しなければならない業務をリスト化しており、1年ほどをかけて開局作業に関わる部門の間で回付されます。これは各部門に開局作業を依頼するとともに、長期間に渡る薬局開局のプロジェクトをシステム上で可視化して管理する役割も担っており、非常に利便性の高い申請フォームです。20を超える部署の担当者に承認や同報が回付されるワークフローのため、複雑なフォームのように思えますが、比較的容易に申請フォームや承認ルートを設定できました。こうした申請フォームを情報システム部門の手を借りずに、作成・改修できるのは、楽々WorkflowII Cloudの操作性の高さがあってこそだと思います」(宮本氏)。

また、楽々WorkflowII Cloudの承認機能も高く評価されている。たとえば、同じ種類の申請書を連続して表示し、そのまま承認できる連続承認機能により、承認者は大量の申請書をスムーズに確認・承認できるようになった。その結果、作業時間の短縮にもつながっている。さらに、外出の多い承認者はスマートフォンを活用することで、時間や場所に縛られず対応できるようになった。

連続承認機能のイメージ。承認作業がスムーズに行える。

楽々WorkflowII Cloudは組織基盤を支える「インフラ」
クラウド移行でDX推進のためのリソース確保も容易に

既存のグループウェアの刷新に伴い、総合メディカルではクラウド移行が進み、さらにシステムのブラックボックス化も解消された。これにより、同社では情報システム部門であるICT統括部の業務負担が軽減され、グループ全体のDX推進に必要なリソース確保が容易になった。今後の展望について、総務部シニアマネージャーの丸山伸太郎氏は次のように話す。

「楽々WorkflowII Cloudは、当社の組織や業務を支える唯一無二の存在です。今後、当社ではさらなる組織拡大を通じて、地域医療の発展に貢献していきたいと考えています。そのためには、システム環境のさらなる高度化が求められるでしょう。そうした戦略を支えるワークフローインフラとして、これからも楽々WorkflowII Cloudに活躍してほしいと期待しています」(丸山氏)。

また、楽々WorkflowII Cloudはクラウドシステムのため、インターネット環境があれば、どこからでも接続が可能だ。今まさに日本全国に組織のネットワークを拡大している総合メディカルにとって、新店舗ですぐに接続できることは大きなメリットとして働いている。今後も成長を土台から支える業務基盤として、楽々WorkflowII Cloudは極めて重要な役割を果たすに違いない。

総合メディカルロゴ
総務部 シニアマネージャー 丸山 伸太郎 氏
ICT統括部 リーダー 園田 裕一郎 氏
ICT統括部 チーフ 内野 裕美 氏
総務部 宮本 桃果 氏
総務部 野中 理緒 氏
総合メディカル株式会社 ※本事例中に記載の組織名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点(2025年3月)の情報です。

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