株式会社松井製作所

株式会社松井製作所

Notesの操作性を再現したNotes移行

マツイグローバルを支える情報基盤を再構築
基幹システムとのリアルタイム連携を実現し、
全社システム統一基盤へ

松井製作所は、1912年に創業し、プラスチック成形用合理化機器・システム(樹脂乾燥機、金型温度調節機、材料輸送装置、配合装置、粉砕機およびリサイクル機器等)の製造販売を行っている。世界14ヵ国に35拠点の生産、販売、サービス網を活かし、グローバルにビジネス展開をしてきた。「2020年までにプラスチック成形工場のfactor4(*1)を実現しプラスチック成形工場の資源生産性を4倍にする」を使命とし、消費資源カット、生産性アップ、付加価値アップにより地球環境とお客様の豊かさを両立することを目指している。

(*1) factor4:「豊かさ2倍、資源消費半分」という考えで、エイモリー・B・ロビンスらによって提唱された。松井製作所はこれに深く賛同し、地球環境への取り組みのスローガンに掲げている。

新たなシステム構築のきっかけ

松井製作所では、1996年よりNotesを導入し、情報系システムの基盤として運用していた。 しかし、C/S(*2)形式であるNotesは、通信インフラが貧弱な地域ではレスポンスが悪く、コスト面でもユーザが増えるにつれ負担が大きくなるため、グローバル化を進めるうえでの課題になっていた。また、基幹システムとしてAS400を導入していたが、基幹系システムとのリアルタイム連携の要件も出てきた。そこで、2012年6月、これらの課題を解決するために、新たな情報基盤システムの検討を始めた。

(*2) C/S:クライアントサーバシステムの略

導入製品の選定

開発基盤の選定には1年半の歳月をかけ、入念に調査を行った。選定の条件は次の5つである。

①グローバルで活用可能、すなわち、多言語に対応した軽快なWebシステムであること②スマートデバイスに対応できること③基幹システムとリアルタイム連携できること④すべてのDBをNotesから移行できること⑤自社で開発ができること

選定の候補に挙がったのは、住友電工情報システムを含め、7社の製品だった。その中で、住友電工情報システムの楽々Frameworkと楽々Workflowの組み合わせはすべての条件を満たしていた。さらに、短期間で開発できることが自社開発を目指す松井製作所にとって魅力的で採用の決め手となった。
「実際、あるシステムの開発において、中国のソフト会社の見積額と楽々Frameworkを使った日本のソフト会社の見積額が互角だった。当時、現地の人件費単価が日本の半分以下だったことを考えると、楽々Frameworkによるシステム開発は大幅に工数を低減できることを証明してくれた。」と情報システム部 ゼネラルマネジャー 松本氏は語る。

Notesの移行

200以上あるNotes DBの移行は、株式会社ミライト・ワン・システムズの支援のもと、松井製作所情報システム部員6名で行われた。これだけの規模のDBを一斉に移行するのは難しい。松本氏には勉強しながらでもすぐに走りたいという思いがあった。そこで、移行を3つのフェーズに分けた。

移行フェーズ

フェーズ1
  • 機能が複雑なもの
    基幹連携、ワークフロー、複雑な画面もの
フェーズ2
  • フェーズ1以外のワークフロー
フェーズ3
  • 掲示板、その他の情報共有

まず、2014年4月からフェーズ1を開始した。ここでは、機能を複雑に作り込んだDBを選択し、しかも、極力現在と同じ動き、同じ見栄えを再現するようにした。最初に最も難度の高い開発に取りかかったのは、今後全DB移行に耐えうるかどうかの検証も兼ねていたためである。仕様の落とし込み等で時間がかかったが、約1年をかけてフェーズ1の移行を終え、全DB移行の目途をつけた。続けて2015年5月よりフェーズ2に、2016年2月からフェーズ3に取りかかり、2016年9月には全部の移行を終わる予定だ。
すでにNotesに登録されている過去文書で、ワークフロー情報は残す必要がないと判断し移行対象からは外した。掲示板など情報共有系は業務ノウハウ等が含まれているために移行対象とした。一方、メール、スケジューラ、施設予約はGoogle Appsを使用することにした。

Notesの操作性を再現

「移行した際のユーザの違和感を和らげるために、Notesでの操作性に近づけるようこだわった。」と情報システム部マネジャー堂園氏は語る。
Notesでは、ユーザはよく使うデータベースのアイコンを自由にタグに配置して、使いやすい自分専用のメニューを作成している。そこで、新しいトップ画面でも、ユーザが自由にメニューを配置できるようにした。メニューは4つの「お気に入り」でグループ分けでき、それぞれのお気に入りの名称はNotesで利用していたタグ名を引き継げるように工夫している。
さらに、お気に入りに登録しているメニューに未読の情報があると「!」を横に表示し、情報共有のための掲示板に新着情報が届くと上部メニューに「New」と表示するなど細部の機能も再現した。お気に入りに登録されていない情報は検索することができる。このような取り組みの結果、当初、画面の見た目・操作性が大きく変わることへの反発を予想していたが、ユーザからクレームは出なかった。
このトップ画面は個々の業務システムを統合する重要な情報基盤の位置づけで、楽々Frameworkで構築した。メニューから起動される個々の業務システムは、楽々Workflowで構築したものもあれば、楽々Frameworkで構築したものもある。

トップ画面(楽々Frameworkで構築)
出張報告書申請画面
(楽々Framework & 楽々Workflowで構築)

本番スタート

本番移行時は、Notesと新システムを並行稼働させDB単位に順次移行させた。移行済みのNotesDBには新システムのリンクを貼りつけることで新システムに簡単にアクセスできるよう工夫した。これにより本番移行は非常にスムーズに進んだ。ユーザへの教育は、各拠点1回きりで、その後大規模な研修は行っていない。楽々Framework/楽々Workflowの操作性が統一されている証しである。
なにより、 海外でのレスポンスが早くなったとユーザには好評だ。現在、海外においては日本人駐在員だけが利用しているが、今後は多国語対応の機能を活用し、現地従業員にも利用を拡げていきたい。

今後の展望

フェーズ 1,2 を終えた今、ユーザからは様々な意見や要望が集まってきている。スマートデバイスから基幹システムの情報を検索する仕組みづくりも始めた。「今後もアイデアを出して、基幹システムとリアルタイムに連携したグローバルなシステムを充実させていきたい。」と松本氏は意気込む。マツイグローバルを支えるシステム構築はこれからも続く。

株式会社 松井製作所
情報システム部
ゼネラルマネジャー
松本 英史 氏
株式会社 松井製作所
情報システム部
マネジャー
堂園 英生 氏
※本事例中に記載の社名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。

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