株式会社デンソーテン

株式会社デンソーテン

DXを可能にする「デジタル基盤」を構築

株式会社デンソーテン

レガシーシステムを約9か月で楽々WorkflowIIにコンバージョン
全社的なプロジェクトを通じて、DXを可能にする「デジタル基盤」を構築

世界的自動車部品メーカー・デンソーグループに属する株式会社デンソーテン(以下、デンソーテン)は、運用開始から20年以上が経過した旧式の稟議システムを一掃するため、楽々WorkflowIIを導入。
約9か月間の導入プロジェクトにおいて、要件定義から開発までのフェーズを4か月で完了し、旧式の稟議システムのコンバージョンを実現した。さらに、並行して行われたDX推進プロジェクトでは、楽々WorkflowIIを活用した申請業務の見直し・電子化を推進し、DXの実現に向けたデジタル基盤の構築に成功している。

DXの推進に立ちはだかるレガシーシステム
ブラックボックス化していた稟議システムのコンバージョンに挑む

自動車部品メーカー・デンソーグループの一翼を担い、ディスプレイオーディオ、ドライブレコーダー、ハイブリッドECUなど、カーエレクトロニクス製品の開発・製造・販売を手掛けるデンソーテン。世界で初めて車載用CDプレイヤーやタクシー専用のデジタル無線システムを開発するなど、常に時代の先端を行く技術を追求してきた。

2020年には「VISION2030」を策定。2030年に向けて「クルマの価値向上」と「生活の価値向上」の2つの事業方針を定め、「クルマの価値向上」では既存事業であるカーエレクトロニクス事業の深化・発展を、「生活の価値向上」では移動弱者や高齢者などが抱える「移動の課題」の解決を目指している。

次世代に向け、新たな事業領域に挑むデンソーテンだが、そのチャレンジングな姿勢は組織改革においても同様だ。同社は、2020年に新部署「DX効率化推進室」を設立し、全社一体となったDXに取り組んでいる。社内業務の見直し・電子化を進めるほか、「社員全員がITの専門家になる」を合言葉に、社員のITスキル向上に注力。全社的なデジタルシフトを通じた、組織変革を目指している。しかし、その進路の先には、いくつかの障害が立ちはだかっていた。情報システム部システム開発室販売・会計システム課の玉井裕子氏は、DX推進の足枷となっていたレガシーシステムについて話す。

「以前、弊社では、購買申請や契約稟議などに20年以上が経過した稟議システムを利用していました。このシステムはPerlやPostgreSQLなどの技術で開発されており、詳細な仕様書も引き継がれていなかったため、半ばブラックボックス化していました。事実、メンテナンスは、非常に限定的な範囲でしか行えず、システム間での連携もできないため、組織変更のたびにシステムを停止して、人事情報を修正する必要がありました。また、サーバOSやデータベースのバージョンも開発当時のものであったことから、仕様がわからず最新技術との互換性なども障害となり、移設にも踏み切れずにいました。今後、社内業務の電子化やシステム間の連携を進めていくうえで、こうしたレガシーシステムは必ず障害になります。DXを実現するためにも、早急なコンバージョンが望まれていました」(玉井氏)。

2018年ごろ、旧式の稟議システムを問題視したデンソーテンは、コンバージョンに向けて動き出す。パッケージのワークフローシステムの導入を通じ、レガシーシステムの刷新を目指すこととなった。

独自の運用を再現できる「柔軟性」を評価し、楽々WorkflowIIを導入
綿密なプロジェクト推進により、要件定義から開発までのフェーズは4か月、プロジェクト全体は、約9か月間でコンバージョンを完了

コンバージョンにあたって、デンソーテンは4つのワークフローシステムの導入検証を行ったが、導入には至らなかった。「自社特有の承認経路を再現できない」など、いずれの製品も必要な要件を欠いていたのだ。一時はスクラッチ開発も検討されるが、費用や工数の点から断念された。

解決策を模索するなかで、同社は楽々WorkflowIIの存在を知る。この出会いが停滞していた状況を動かすこととなった。楽々WorkflowIIは、これまで導入検証を行った製品群に比べて安価であるとともに、自社特有の承認経路の再現が可能だった。さらに、プラグインを活用することで、複数の規則で構成される稟議番号を自動採番することもできた。従来の運用や自社の事情を考慮しながらコンバージョンを実施するうえで、楽々WorkflowIIは最も適した製品だった。

楽々WorkflowIIの導入を決定したデンソーテンは、2020年8月からコンバージョンプロジェクトを開始。情シス部門主体に、主要な関係部署(秘書室など)にもヒアリングを行いながら進めた。とくに、コンバージョンの影響が大きい経理部門からは経理部長にもプロジェクトに招聘。情報システム部システム開発室販売・会計システム課の番場義人氏は、綿密な体制づくりがスムーズな導入を可能にしたと語る。

「システムの移行時期や旧システムのデータの扱いについては、当初から経理部門と議論を重ね、計画通りに導入を進めていったため、無用な混乱をきたすことなくプロジェクトを終えることができました。
また、従業員への周知や役員への説明は、主に経理部門が担当したため、情シス部門は開発に専念することで、要件定義から開発のフェーズを4か月という短期間で完了できたのも大きなポイントでした。プロジェクトは約9か月で完了していますが、綿密な推進体制が、スムーズな導入に大きく貢献したと感じています」(番場氏)。

コンバージョンプロジェクトのスケジュール
  • コンバージョンプロジェクトのスケジュール。
    情シス部門と経理部門が役割を分担したことで、スムーズかつ計画的に導入を進めることができた。

現在、デンソーテンでは、旧来の稟議システムで行われていたほぼすべての申請業務が楽々WorkflowIIに移管されている。これにより、従来、システムのメンテナンスや人事情報の管理、申請書作成などに要していた多大な工数が削減。

旧画面

旧システム開発画面

楽々WorkflowII画面

  • 古い技術で開発されていた旧システムを刷新し、楽々WorkflowIIに移行。
    GUIを中心とした開発により、大幅な工数削減が実現している。

コンバージョンと並行して、DX推進プロジェクトを展開
紙帳票撤廃をスローガンに約400帳票の電子化に成功

さらに、デンソーテンはコンバージョンプロジェクトと並行して、楽々WorkflowIIを活用したDX推進プロジェクトも展開している。このプロジェクトでは、それまで紙の帳票やExcelフォーマットで運用されていた申請業務を電子化し、社内のデジタル化を推進するのが目的だった。そして、ここでも、全社一体となった推進体制が功を奏している。情報システム部ITインフラ室デジタル推進課の高野翔吾氏はDX推進プロジェクトの過程を振り返る。

「DX推進プロジェクトでは、まず、各部署に『ワークフロー専任者』を選抜していただいた。私たち情シス部門が、ワークフロー専任者に楽々WorkflowIIの利用方法を教育し、部署ごとに申請業務の電子化を進めました。その後は、情シス部門が進捗を管理する形でプロジェクトを進行し、デジタル化の波を社内全域に広げていきました。プロジェクトは2020年度から開始され、2021年度末をもって完了。結果的に、約400帳票の電子化に成功しています」(高野氏)。

楽々WorkflowIIが社内のITスキル向上を後押しした
今後はAIやRPAなどを活用し、DXをさらに加速する

レガシーシステムを刷新するとともに、全社的な申請業務の電子化も実現したデンソーテン。情報システム部ITインフラ室デジタル推進課の熊澤康幸氏は、この2つのプロジェクトを通じて、デジタル基盤の1つが構築できたと説明する。

「現在、弊社では、DXの実現に向けて、さまざまな施策を進めています。楽々WorkflowIIの導入は、それらの先駆け的な取り組みといえます。また、全社一体となって導入を進めたことで、社内のITスキルも高まっています。楽々WorkflowIIを1つの基盤として、今後は、AIやRPA等と組み合わせて、DXをさらに加速させていく方針です。」(熊澤氏)。

楽々WorkflowIIの導入をきっかけに、DXへの第一歩を踏み出したデンソーテン。その足取りは徐々に勢いを増し、DXの実現という、目的地にたどり着く日もそう遠くないはずだ。

株式会社デンソーテン コーポレート本部 情報システム部 システム開発室 販売・会計システム課
番場 義人 氏/玉井 裕子 氏

株式会社デンソーテン コーポレート本部 情報システム部 ITインフラ室 デジタル推進課
熊澤 康幸 氏/高野 翔吾 氏

株式会社デンソーテンのホームページ

※本事例中に記載の社名や肩書き、数値、固有名詞等は取材時点の情報です。 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

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