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セミナ-情報

導入事例

大規模グループPDMの構築ツールとして採用
今では、開発のインフラとして重要な位置づけに

ヤンマー情報システムサービス株式会社様

グループPDM構築を皮切りに、生産管理システムなどの大規模基幹システム構築に
楽々Frameworkを活用。
期待通りの工数削減と開発期間短縮を達成し、今後さらに活用が広がる予定。

グループPDMへの挑戦

ヤンマー情報システムサービス株式会社 代表取締役社長 西邑 定幸氏

ヤンマー情報システム
サービス株式会社
代表取締役社長
西邑 定幸氏

21世紀を間近に控えた2000年、ヤンマーグループでは、グループ総合力を高めスピードある事業展開を進めるためにグループPDM(Product Data Management)を構築し、グローバルに情報を連携、連鎖できる仕組みを作る方針を掲げた。これはそれまで進めてきたPDP改革(Product Delivery Process Innovation)を発展させて、3次元 CADの成果物を一元管理の上、徹底して共有・活用しようというものであり、過去25年間稼動してきた部品表システムの再構築が不可避であった。「従来の部品表システムは、機能的に老朽化していたこともあるが、‘共有する情報基盤’という意識が関係者に不足していた。次の世代に引き継ぐ基盤を今、自分たちの手で作るしかない」。

当時ヤンマーのPDP・PDM改革推進室長だったヤンマー情報システムサービス株式会社(以下YISS社)西邑社長はそう決断し、YISS社にグループPDM構築のプロジェクトチームが結成された。当時、西邑社長のキーワードは、グループ、グローバル、インテグレーション。各カンパニー固有の部分は個別に構築するが、グループPDMはグループ共通のいわばインフラであり、製造メーカーとしては何物にも優先して必要となるデータベースとなる。YISS社の技術情報システム部PDMグループ専任課長の伊藤氏は、「それまではメインフレームで開発を進めていたが、グループPDMに取り組むに際して、Webをつかった3階層のシステム、24時間稼動、多言語のDB、そしてJavaの採用という、ハードルの高い方針を定めた」と説明する。特に5サブシステムのうちの3つ(※注:(1)~(3))では、極めて大規模な基幹システムをWebベースで構築することとなった。

対象業務、関連部署の多さ、技術面での新規性などから開発期間の見積もりすら難しいプロジェクトであったが、プロジェクト全体を統括した西邑社長は2000年9月にプロジェクトをスタートさせるに際して、システム開発着手から2年以内に稼動させるとのチャレンジングな目標を設定した。この目標に対し伊藤氏は、「目標は厳しかった。このスケジュールを考えるとネイティブJavaのコーディングでは間に合わない。Java開発フレームワークは不可欠だった」と語る。

 ※注:

  • (1) EPS部品表と運用部品表の再構築
     ・量産前に設計・生産・販売部品表を完備する
      EPS(=Engineering / Production / Sales, Service)部品表の導入。
     ・グループの設計・生産・販売部品表を共有する運用部品表の導入。
  • (2) CS情報管理システム
     ・生産来歴と物流・販売情報を連結したグループ機歴管理台帳の構築。
     ・CS部品表の導入。(工場出荷時に1台毎の販売部品表作成)
  • (3) 技術情報管理システム
     ・ 商品企画と技術系情報の一元化と共有化

グループPDMへの挑戦

開発生産性で楽々Frameworkを採用

ヤンマー情報システムサービス株式会社 PDMグループ専任課長 伊藤 隆一氏

ヤンマー情報システム
サービス株式会社
PDMグループ専任課長
伊藤 隆一氏

YISS社はこのグループPDM構築に取り組むにあたり、パッケージを使用せず、自社開発の道を選択した。それには明確な理由がある。YISS社では人事システムや会計システムなど、システムのゴールが動かない業務については業務パッケージを活用する方針であるが、生産管理のように業務の変化、企業の成長とともにゴールを変えていかなければ意味のなくなるシステムについては自社開発するというポリシーを持っていたからである。グループPDMはまさにシステムのゴールが成長する業務であり、迷わず自社開発を選択するとともに、最新のIT技術を駆使できる開発生産性の高いツールの選定に着手した。

生産性、品質、拡張性、開発手法などの評価項目を設定して複数のツールを評価した結果、以下の4つの点で大きな効果が期待できるとして住友電工情報システムの楽々Framework(以下楽々FW)が最も高い評価を獲得した。

  • (1)データI/Oや画面I/Oの部品化が進んでおり、コーディングは業務ロジックのみに削減できるため、大幅な生産性向上が期待できる。
  • (2)効率的な機能拡張が可能なため、短期間での拠点・事業部展開が期待できる。
  • (3)Java言語による開発であるため、ゴールの成長に追随できる拡張性、将来性が期待できる。
  • (4)実績のある堅実なデータ中心設計を採用しているため、開発期間・工数の遵守が期待できる。

最終的にはJava開発フレームワークのうち、JSP方式の他社製品と、独自方式の楽々FWの比較となり、独自方式の楽々FWは市場での浸透度が浅いという不安要素はあったものの、保守性、開発支援機能、クライアント実行環境などでの優位性から総合的に判断し、楽々FWの採用を決定した。伊藤氏は、「他の製品がコーディングに焦点をあてているのに対して、楽々FWはシステム設計でのドキュメンテーションから開発、運用に至るまでのストーリーが見通せた」と伊藤氏。西邑社長は、「同じ製造業の住友電工の実績が安心できた」と答える。

課題に直面、総合力で克服

ツールの選定が終わるとすぐに開発に着手した。なにしろ開発ボリュームを考えると残された期間は短く、一時の猶予もならない状況であったため、システム設計と並行して楽々FWの技術習得に取り組んだ。プログラミング段階では開発パワーを確保するため、プロジェクトの拠点である地元滋賀県のソフトウエアハウスにも参画してもらうこととしたが、ほとんどWebやJavaを経験していないメンバーであり、不安は大きかった。しかし楽々FWを使い始めてみると、3ヶ月も勉強すればコーディングは問題なく出来るようになった。彼らが即戦力となったのは大きかった。

しかし別の課題に直面した。部品展開など、大規模部品表のシステムという特性上必須の開発「部品」が、当時の楽々FW(Ver1.2)には不足していたのだ。このため、簡単なものはYISS社で手作りし、その他は住友電工情報システムと共同開発して部品を整備しながら開発を進めていった。こうして部品が揃い始めると、開発は加速していった。

開発に際しては、楽々FWの高生産性を引き出す画面設計にも心がけた。エンドユーザの要望を聞く一方で、オンサイトで週2回くらい住友電工情報システムの技術者から直接指導を受けた。このオンサイトサポートでは様々なQ&Aを行なうことができたため有効だった。短期間でプログラマーが育ったのもオンサイトの効果が大きかった。

2000年9月にスタートしたグループPDM構築プロジェクトは、2001年8月からプログラミングに着手した後、こうして工夫や対策を繰り返しながら順調に開発が進み、2002年8月にエネルギー事業部で最初のサービスイン。西邑社長から出されていた「2年」という厳しい目標は達成できた。

グループPDM成功の要因

もちろん成功の要因は楽々Frameworkの生産性だけにあるのではない。グループPDMプロジェクトチームの徹底したプロジェクトマネジメントが効果的に機能した結果であることは言うまでもない。

また先行のPDP改革からこのグループPDMに至るまで、ヤンマーグループ全体から支援を得られたことも大きかった。

西邑社長は「ヤンマーグループの経営層からもグループ共通のテーマ、グループ共通のシステムとして強力に支援してもらえたことは心強かった」と振り返る。YISS社のメンバーはもちろん、グループ内で業務要件を決めるメンバーも、主体的かつ積極的にプロジェクトに参加した。各事業部のキーマンを巻き込んで、大掛かりな体制を作ったのも功を奏した。

プロジェクトそのものに求心力があったのだ。

楽々Frameworkの活用と今後の課題

グループPDMでの成功のあと、楽々FWはヤンマーグループのオープン系システム構築ツールとして広く活用されており、グループコアとなる統合生産管理システム(平成15年4月~17年6月第一次導入先サービスイン)に続き、グループ統合販売物流におけるサービス支援システム構築にも使用される予定である。

今後の取り組みについて、伊藤氏は、「現在システムのコアの部分を楽々FWで作っている。楽々FW(1.2)に続き、楽々FrameworkIIの活用も進んでいる。楽々FWは各プロジェクトで今後長期間にわたり使用していくことになるので、その間にもっとユーザが増え仲間が増えてほしいと思うとともに、住友電工情報システムさんには長期的なサポートをお願いしたい」と語る。西邑社長も、「楽々FWが引き続きユーザの意見を積極的に取り入れて、さらに洗練されたものになってほしい。そのためにも楽々FWの機能を高めていくようなユーザの広がりに期待している」と語る。

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