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セミナ-情報

導入事例

ユーザビリティの追求に徹しつつ、開発コストを半減。
30年来の業務を根本的に変えた業務支援システムが稼動。

富士フイルムイメージテック株式会社様

富士フイルムイメージテック株式会社(以下、FJIT)は、広告制作などのビジュアルプロモーション、デジタルコンテンツ、IDカードなどのイメージングビジネスを、付加価値の高いトータルサービスで展開している。これまで手作業と紙伝票で続いてきた広告制作の一連の業務を、Webアプリケーション開発基盤 楽々FrameworkII(以下、楽々FW)により全面的にシステム化。技術力を活かして、ユーザビリティの追及と開発コスト削減の両立に成功した。

直感的に理解できるシステムが稼動

2009年8月、FJITで見積、受注、生産指示などの業務をカバーする業務支援システムF-BIS(FJIT Business Intelligence System)が稼動した。画面デザイン、画面遷移など、利用者が違和感なく使えるよう、随所に配慮が見られる。

例えば営業担当者が見積書を作成するには、まず、見積書の書式として、縦型か、横型かを画面上で選択する。

見積書の書式選択画面(縦型か横型かを選択)
図1. 見積書の書式選択画面(縦型か横型かを選択)

次に、見積書イメージの画面で、必要事項を入力する。

見積書 入力画面
図2. 見積書 入力画面

入力が完了すると、見積書のPDFファイルが生成される。

見積書のPDFファイル
図3 見積書のPDFファイル

開発プロジェクトを率いたFJIT開発技術部第一開発グループ主査の片田氏が「とにかくユーザビリティに徹しました」というとおり、すべての機能について、利用者本意の使い勝手のよいシステムに仕上がっている。F-BISの稼動により、FJITの業務は格段に効率化された。しかし、F-BISの稼動にいたるまでには、技術面、業務面の両面で、関係者の大きな努力があった。F-BIS稼動までを振り返る。

30年来の業務の改革へ

FJITの主要事業のひとつに、屋外広告などの企画、制作、加工、施工までをてがけるビジュアルプロモーション事業がある。駅の時刻表表示や、バックライトで照らす大型広告などもそのひとつだ。FJITにとっては歴史のある事業であるが、見積から生産、請求にいたるまでの業務では、手作業と紙伝票中心の旧来のやり方が続いていた。

富士フイルムイメージテック株式会社 開発技術部 第一開発グループ 主査 片田 秀行 氏

富士フイルムイメージテック株式会社
開発技術部 第一開発グループ
主査 片田 秀行 氏

例えば、生産部署に作業を依頼するには、営業担当が紙の作業指示書に手書きで細かく記入していた。また、業務担当者は「ラミネート加工」など、各作業単位の製造コストを算出して、販売システムに追記入力する必要があった。営業担当40人分から発行される作業指示書は1か月で数百枚。そのすべてに対して、手作業中心での処理となっていた。

頻繁に発生する制作物の仕様変更に対しても、手書きで作業指示書が訂正されるため、指示ミスが発生することも少なくなかった。さらに個々の作業単位の原価算出、積算の作業も煩雑で、業務担当者からも改善を望む声が上がっていた。

この一連の業務をシステム化することで、業務効率化と業務品質向上を図る検討は過去にもなされてきたが、投資コストがかさむため見送られてきた。しかし近年、各職場のPC環境が整備されるなどインフラの充実に伴い、システム化の動きが加速し、2007年、ようやくシステム化に着手することとなった。

システム化検討にあたっては、片田氏を中心に、営業、生産、業務の複数メンバーでプロジェクトチームを結成し、システム化方針など方向性の統一を図るところから着手した。

期間と工数を半分に抑えるために

FJITでのシステムの開発といえば、スクラッチ開発が多かったため、今回もスクラッチ開発を前提に開発コストを試算したところ、投資採算性が大幅に悪化する結果となった。採算性を確保するには、開発期間、工数を半分に抑制する必要がある。「開発ツールを導入して工数、期間を削減することが不可欠な状況でした。」と片田氏は語る。

富士フイルムイメージテック株式会社 開発技術部 第一開発グループ 主任 清水 照 氏

富士フイルムイメージテック株式会社
開発技術部 第一開発グループ
主任 清水 照 氏

2008年に入り、プロジェクトチームでは、開発ツールの検討を急いだ。社内各拠点への展開のしやすさや将来の拡張性も考慮して、Web環境で使えることが大きな条件で、また、安心してサポートが受けられることも重視した。この結果、当初10製品程度あった候補は最終的に楽々FWを含む2製品に絞られた。

製品を比較すると、提案価格は楽々FWの方が高く、FJIT社内では他製品を押す声も多かった。しかし、開発の中心メンバーである株式会社ネクサスの岩元氏は、開発着手以降に発生が見込まれる社内コストを分析し、長期的視点での評価を重視した。

「楽々FWは、データベースを定義すれば、ほとんど何もしなくても動くものができる、というとっつき易さがあるのに対して、他製品は開発の初期段階でツールの習熟が必要でした。また両製品のセミナーにも出席して具体的な開発内容を確認してみると、楽々FWの方が実際にどうやって作るかが明確でした。」と岩元氏は振り返る。

こうして、開発に要するコストを含めて費用対効果を試算しなおすと、楽々FWの高い生産性によるコスト削減効果は予想以上に大きいことが判明し、2008年5月、楽々FWの採用が決定した。

技術力を活かしてJasperReportsにも習熟

楽々FWの生産性の高さは期待通りであったが、課題も発生した。当初は、楽々FWのセオリー通り、標準のプログラムパターンを適用して設計、製造を進めようとしたのだが、画面遷移を含め、ユーザビリティに対する利用部門の要求が厳しく、対象業務をなかなか標準パターンに収めることができなかったのだ。eコマースの普及により、一般ユーザの目が肥えてきていることに加えて、FJITでは広告やデザインを商品として扱っている関係上、操作性や見栄えにこだわる社員が多いという事情もあった。

この課題に対しては、住友電工情報システムのサポートにも相談し、最終的にプログラムパターンを自作する方法により解決に至った。

またF-BISではシステム導入費用を削減するため、データベースにPostgreSQLを使用するなど、オープンソース・ソフトウェア主体のシステム構成であったが、その中で、帳票作成に使用したJasperReportsは初めての経験であった。そこで3名という小規模な開発体制の中、1名が画面・帳票担当として専門的に取り組むこととした。マニュアルもほとんど英語版しかなく、苦労しながらの開発スタートだったが、多様な帳票設計・出力をこなす中で、ノウハウを蓄積し、複雑な帳票も出力できるようにした。

ユーザビリティへの配慮が随所ににじむ

それではF-BISの主な機能を見てみよう。

まずF-BISのメイン画面とも言えるのがプロジェクト詳細一覧画面(図4)だ。営業担当者はこの画面から案件の状況を確認するとともに、見積発行や生産部署への作業指示を行う。また、自分の担当案件だけでなく、他部署管轄のプロジェクト情報も見ることができる。情報共有のためだ。

プロジェクト詳細一覧の画面
図4. プロジェクト詳細一覧の画面

冒頭で見たように、営業担当者はまず見積を作成し、その後、生産部署への作業指示を行う。従来は紙伝票を使用していたが、F-BISでは指示内容を画面から直接入力する。リピート品については、過去の類似情報を参照して再利用することができるなど、入力簡略化への配慮が随所ににじむ仕様になっている。

この入力が完了すれば、伝票の代わりにデータがオンラインで伝達され、生産部署では常に最新の作業指示を現場の画面上で確認することができる。現場用の作業指示確認画面も、旧伝票の書式に極力合わせて混乱を避けた。またデータ量が大きな画像などをメディアに保管して手渡すこともあるため、受け渡しミスが発生しないよう、メディア添付用のバーコード付きラベルの発行機能も追加した。

さらに、外注することが多い取付作業や特殊加工作業のために使用している外注注文書については、従来のExcel帳票の書式を踏襲して、JasperReportsで新たに作成した。ただ、見た目がほとんど変わらないため、システム化されたことに気が付かない外注先がほとんどだと言う。

仕事のしかたが根本的に変わって

F-BISをフロントで使用する営業部署にとっては、図5のとおり、仕事の進め方が全面的に変更となった。当初はやや戸惑いも見られたが、時間の経過とともにそれも落ち着き、むしろ情報の一元化で業務が楽になったという声が聞かれるようになった。頻繁に利用する営業の声を取り入れてユーザビリティ確保を図った成果といえる。

F-BISによる運用変更点(営業部署)
図5 F-BISによる運用変更点(営業部署)

一方、生産部署については、長年使ってきた紙伝票がなくなり、困惑が広がった。「対策が必要と判断し、急きょ作業指示の紙伝票出力機能を追加して、紙と画面のハイブリッド運用に切り替えました。」「設備投資の都合上、作業場所の真横に必ずしも端末画面があるわけではなく、確認に時間が掛かるため、初期段階の運用としてやむを得なかったと思います。」と片田氏は言う。

そしてF-BISで最も工数が削減されるのは、原価・売上登録を行う業務担当者だ。これまでは作業指示の明細ごとに個別に原価を算出して販売システムに1点ごとに手入力していたが、F-BISではCSVファイルで大量売上データを一括登録できるようにした。

社内システムとしては画期的なF-BISは、稼動直後の課題もプロジェクトチームの丁寧な対応により解決し、大きな効果をあげつつある。現場の声を聞きながらの改善作業の中でも、プログラム修正後に即時反映できるといった、保守性に優れた楽々FWの特長が活かされている。

業務改革への熱意と、更なる機能改善、培った楽々FWの技術活用など、システム化による業務改善効果が今後さらに広がることが期待される。

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